【今年の卒論の規定】が発表された。


ーーーーー10万字ーーーーー


入学が難しく卒業がもっと難しいこの大学のこの学部において、卒論が例年12000字であるこのゼミの競争率は、例えが出てこないんだけど、すごいものだった。みんなできれば楽して卒業したい。モラトリアムを海外旅行に消費したいのだ。生まれつきの口角の上がり方で面接をパスした私。運を使い切ったと思っていた。使い切ったのだろう。


今年から急に。10万字のラスボスが現れた。


「もしもし?裕太?うん。元気。ごめんねこないだは風邪ひいちゃって。

…あのさ、言いにくいことがあるんだけど。うん。

…フランス行けなくなっちゃうかも。

いや、そういうんじゃない。そうじゃなくて。卒論がね、急に10倍になっちゃって。

卒論だよ。卒業論文。

大学は卒業するのに論文書かなきゃ行けないの。

レポートのさらに大きいバージョンのやつ。

だから、ね?フランス、来年とかに、延期に

…え、それ本気で言ってるの?

なんで??なんでそんなこと言うの??

私のせいじゃないもん。教授が急に

私のせいじゃない!!

なんでよ!!

もういい!!」



大きいポテチ買って帰ろ。はあーぁ。


【大きいポテチから考えるストレスの受け止め方】


10万字いけるかしら??