100匹の魔物が魔本を持って人間界に放たれて


それぞれ自分の魔本を唯一読める人間を見つけ出して


組んで


人間が魔本に書いてある呪文を読んで


魔物がその呪文に応じた術を出して


他の魔物と戦って


相手の魔本を燃やしたら勝ち


魔本を燃やされた魔物は魔界に強制送還される


んで戦い続けて最後の一組に残った魔物が王様になれる




って話なんですけど、













バリーって魔物ね。



バリーは王様になりたくて仕方なかったんですよ。実際魔界にいたころはケンカとか負け知らずの荒くれ者だったんです。背も高いし呪文も強い。うん。



んで人間界でグスタフってじいさんと組んで他の魔物をバシバシ蹴散らしていきました。



でも戦いに勝つたびバリーはイライラを募らせていった。確実に王に近づいていってるのに。




「何かが足りねえ」




こう思うようになりました。



人生経験の豊富なグスタフはバリーにこう言います。




「お前にはまだ王の素質が無ぇ。ただの暴れん坊だ。王の素質のあるやつと戦うとわかるさ。」




そんなイライラの日々の中ガッシュと出会うんです。



ガッシュは自分より弱い。経験も呪文も。バリーはガッシュを圧倒的な力で捻じ伏せて追い詰めます。



しかしガッシュにとどめを刺そうとした時、なぜか手が止まりました。



ガッシュの目が、自分をこわばらせる。



どうしてもとどめが刺せない。



ガッシュの目を恐れてしまう。




「そいつを殴れねぇだろう。これが王の素質のあるやつとお前の差だ。」




バリーは愕然とします。戦いに負けたことなんて無い。事実今だって目の前の敵はもう虫の息。でも殴れない。王の素質。こいつにはあって、自分には、無いもの。



グスタフはガッシュに言います。




「ガッシュ君、ありがとう。おかげでバリーは目指すものが見つかった。今日は帰るとするよ。ただ、君はもう虫の息だ。本はいつでも燃やせたということは忘れないでくれ。」



グスタフはバリーを連れて立ち去ります。



帰り際、バリーは清々しい顔になっていました。イライラはもうどこにも無い。




「王の素質とやらを身につけりゃあいいんだろ。腕が鳴るぜ。」








で、なんやかんやあり、「ガッシュと仲間の魔物達グループ」vs「すごく強くて悪いゼオンとその仲間の魔物達グループ」の構図になるんですが、そのゼオングループの一匹のクッソ強いやつ(キースという)にガッシュグループが全滅させられそうになってるとこを、敵でも味方でもないパワーアップしたバリーが助けに来るんですね。少年漫画ですね。



バリーはすごく強くなりました。卑怯で強大なキ-スをさらに圧倒的な力で倒し本を燃やしました。



「俺は王の素質のある竜族の魔物を倒したんだ。もうただの暴れん坊じゃねえ。さぁガッシュ!いったん手を組むぞ!ゼオンをぶっ飛ばすんだ!」



しかしキースは卑怯者。本が燃えて体が人間界から消えていく中で、「これでもくらえ」と最後の足掻きをします。




ボチッ




スイッチが押され、「触れると体が動かなくなり、粉々になるまでじわじわとダメージを与え続けるエネルギーの塊」がガッシュ達のグループに襲い掛かります。



ガッシュがみんなをかばい、塊をモロに受けます。主人公ですね。




「バリー!みんなを連れて進んでくれ!私は体が粉々になるまで時間を稼ぐ!!」




グスタフも叫びます。




「ガッシュ!お前は男だ!後はバリーに任せてくれ!必ずゼオンを倒す!」




そしてみんなと共に先に進もうとした瞬間、バリーが塊をガッシュから自分の体へと移します。




「!!?バリー!?お前何を!!」




グスタフとガッシュが同時に叫びます。





「ガッシュ…お前、強くなったよ。俺も強くなってわかった。お前はあの時より王の目をしてる。俺はここでリタイアだ。後はお前に託す。ゼオンを倒してくれ。」




塊を受けると、自分より体の大きいものに移されないと助かりません。ガッシュにはもうどうすることもできない。次の塊も迫ってきている。しかしガッシュは渋ります。




「何か、何かバリーを救う方法は…」




その瞬間、バリーがガッシュを殴るんですよ。最後の力を振り絞って。




「早く行けぇ!!まだ俺が昔みてぇにてめぇを殴れねえとでも思ってんのか!!ガッシュ!!行け!!ゼオンを倒せええええ!!!」






そしてグスタフはバリーの本を燃やすんです。体が粉々になる前に。



人間界から消えてゆくバリー。



ガッシュをかばったことで、王になる道を閉ざしたバリー。




「グスタフよぉ…色々ありがとうな。俺は、王には、なれなかった。すまねぇな。」




王になるためたくさん指導してくれたグスタフに、感謝と謝罪の意を示す。



しかしグスタフはこう返します。











「確かにお前は王にはなれなかった。けどなバリー。お前は












王をも殴れる男になったぞ。」












二人の目から零れ落ちる涙






「いくら王といえど、過ちを犯すこともある。そこで殴ってやれるんだ。道を正してやれるんだ。強く、立派な男になったじゃねえか。」




「へへ…なんだよグスタフ…未練が、なくなっちまったじゃねえか…あんたとの日々、絶対忘れねえ…」




「ああ。ワシも忘れんよ。」




「ホントか?約束だぜ…へへ…」







完全に消滅するバリー。








「…ああ、約束だ。」









あつううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!










イエエエエエエエエエエエイ!!!寝ます!!!