「家庭経営」事始め・・・経営を知るための「簿記の基本」<第8話> | 品質安定化設計ラボラトリー日記

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かつて開発業務で活用した「品質不良を開発・設計段階で未然に解決する」タグチメソッド(品質工学)を多くのものづくりエンジニアの皆さんに知っていただきたいと思い、そのために自分自身も学び直しながらブログでご紹介してゆきます。

第3章 現金預金

 今後の本シリーズの進め方につき、

変更点があります。

 

 以前はテキストで学んだ内容を細かに

書き記してきましたが、

テキストの写し書きでは面白くないし、

著作権侵害の恐れもあるため、

今後は各章の基本問題への取組結果を

書き記してゆくことにします。

 

 今回は現金と預金についての基礎問題に

挑戦しました。

 

 

 

 まずは現金に関する仕訳の問題です。

 

 取引(1)は、商品の売上げ代金を

現金で受け取った場合で、

今までも類似の例題が頻繁に出てきました。

 

 現金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(現金)1,000と記入し、

一方で売上という「収益」が増えるため

右側(貸方)に(売上)1,000と記入します。

 

 取引(2)は、商品の売上げ代金を

得意先振出の小切手で受け取った場合で、

他人振出の小切手や送金小切手、

郵便為替証書のように、金融機関ですぐに

現金に換えられるものを、

「通貨代用証券」と言い、

簿記上はこれらも「現金」として処理が

できます。

 

 現金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(現金)2,000と記入し、

一方で売上という「収益」が増えるため

右側(貸方)に(売上)2,000と記入します。

 

 取引(3)は、商品の売掛金の回収を

郵便為替証書で受け取った場合で、

これも「通貨代用証券」ですから、

簿記上は「現金」として処理ができます。

 

 現金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(現金)3,000と記入し、

一方で売掛金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(売掛金)3,000と記入します。

 

 

 

 次は現金過不足に関する仕訳の問題です。

 

 取引(1)は、

帳簿残高よりも実際有高が少ない場合で、

差額は500円ですので、

その分簿記上の現金を減少させて

実際有高に合わせ込み、

相手科目は「現金過不足」とします。

 

 簿記上、現金という「資産」が減るため

左側(借方)に(現金過不足)500と記入し、

右側(貸方)に(現金)500と記入します。

 

 取引(2)は、

(1)の現金不足分500円の原因が

判明した場合です。

 

 水道光熱費という「費用」が増えるため

左側(借方)に(水道光熱費)500と記入し、

右側(貸方)に(現金過不足)500と

記入します。

 

 

 

 次は普通預金と定期預金に関する

仕訳の問題その1です。

 

 取引(1)は、普通預金口座に現金を

預け入れた場合で、

 普通預金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(普通預金)10,000と記入し、

一方で現金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(現金)10,000と記入します。

 

 取引(2)は、定期預金口座に現金を

預け入れた場合で、

 定期預金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(定期預金)30,000と記入し、

一方で現金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(現金)30,000と

記入します。

 

 取引(3)は、普通預金口座から現金を

引き出した場合で、

 現金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(現金)5,000と記入し、

一方で普通預金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(普通預金)5,000と

記入します。

 

 取引(4)は、定期預金口座から

普通預金口座へ預け入れた場合で、

普通預金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(普通預金)20,000と記入し、

一方で定期預金という「資産」が減るため

右側(貸方)に(定期預金)20,000と

記入します。

 

 

 

 次は普通預金と定期預金に関する

仕訳の問題その2です。

 

 取引(1)は、

東西銀行の普通預金口座に

現金を預け入れた場合で、

普通預金東西銀行という

「資産」が増えるため

左側(借方)に

(普通預金東西銀行)10,000と記入し、

一方で現金という「資産」が減るため

右側(貸方)には(現金)10,000と

記入します。

 

 取引(2)は、

南北銀行の普通預金口座から

水道光熱費が引き落とされた場合で、

水道光熱費という「費用」が増えるため

左側(借方)に(水道光熱費)4,000と記入し、

一方で普通預金南北銀行という

「資産」が減るため右側(貸方)には

(普通預金南北銀行)4,000と記入します。

 

 

 

 次は当座預金に関する仕訳の問題です。

 

 当座預金とは「商売のための預金」で、

預金を引き出す場合には小切手を用い、

利息が付かないという特徴があります。

 

 取引(1)は、

当座預金口座に現金を預け入れた場合で、

当座預金という「資産」が増えるため、

左側(借方)に(当座預金)10,000と記入し、

一方で現金という「資産」が減るため、

右側(貸方)には(現金)10,000と

記入します。

 

 取引(2)は、

買掛金を支払うため、(当座預金口座から)

小切手を振り出した場合で、

買掛金という「負債」が減るため

左側(借方)には(買掛金)8,000と記入し、

一方で当座預金という「資産」が減るため

右側(貸方)には(当座預金)8,000と記入します。

 

 取引(3)は、やはり

買掛金を支払うため、(当座預金口座から)

小切手を振り出した場合ですが、

小切手の振出額が当座預金の残高を

上回っており、その不足分が補えるように

当座借越契約を結んでいる場合で、

買掛金という「負債」が減るため

左側(借方)には(買掛金)20,000と記入し、

一方で当座預金という「資産」が減るため

右側(貸方)には(当座預金)20,000と記入します。

 

 なお、この場合、

当座借越契約に関する記入は不要です。

 

 

 

 次は小口現金に関する仕訳の問題です。

 

 企業では日々の細かな支払いに備え、

企業全体の資金を管理する「会計係」から

各部署の管理担当者である「小口係」に

一定額の現金を「小口現金」として渡し、

各部署での少額の支払いをこの小口現金で

行うことがあります。

 

 取引(1)は、定額資金前渡法

(インプレスト・システム)により、

会計係が小口係に小口現金を小切手で

前渡しした場合で、

小口現金という「資産」が増えるため、

左側(借方)に(小口現金)10,000と記入し、

一方で当座預金という「資産」が減るため、

右側(貸方)には

(当座預金)10,000と記入します。

 

 取引(2)は、会計係が小口係から

各種費用の支払い報告を受け、

ただちに小口現金の補充を

小切手で行った場合で、

各種の「費用」が増えるため

左側(借方)には各種費用につき

(旅費交通費)3,200

(通信費)800

(消耗品費)3,000

(雑費)1,000と記入し、

一方で当座預金という「資産」が減るため

右側(貸方)には

費用合計金額に相当する額で

(当座預金)8,000と記入します。

 

 なお、実際に

小口係が各種費用の支払いを行っても、

会計係への報告がされていないうちは

仕訳はしません。

 

 また、上記(2)では

小口係からの支払い報告と同時に

小口現金の補給が行われましたが、

会計係が支払い報告を受けただけで

補給をしていない場合は、

左側(借方)に各種費用について記入し、

一方で小口現金という「資産」が減るため

右側(貸方)には

費用合計金額に相当する額で

(小口現金)8,000と記入します。

 

 後日、

8,000円分の小口現金の補給を行った場合、

小口現金という「資産」が増えるため

左側(借方)に(小口現金)8,000と記入し、

一方で当座預金という「資産」が減るため

右側(貸方)には(当座預金)8,000と

記入します。

 

 今回は全問正解でしたが、

以下のことを学びました。

 

1.通貨代用証券は「現金」として

 処理できる。

2.当座預金の引き出しには

 小切手を振り出す。

3.小口現金の仕訳は

 会計係への報告があってからなされる。

 

 

 本日はここまでといたします。

 

 ご精読、ありがとうございました。

 

 

 次回は、

手形と電子記録債権及び債務について

学びます。

 

 お楽しみに。

 

<参考文献>