夜中の2時47分。


 寝ようと思ってスマホを充電しようとしたら、

画面に通知が1件だけ表示された。


 「思い出を振り返りませんか?」


 何気なく開くと、知らない写真が1枚。


 真っ暗な部屋で、誰かが眠っている。


 最初はネットで拾われた画像かと思った。


 でもよく見ると、その布団、そのカーテン、その枕。全部、自分の部屋だった。


 しかも、その写真に写っているのは…… 


今まさにベッドで寝ている、自分だった。

 ゾッとして飛び起きた。部屋には誰もいない。


 玄関も窓も鍵は閉まっている。


 「気のせいだ」と思って写真を削除しようとした。


 すると画面が勝手に更新された。2枚目の写真。


 今度は、さっきより少し近い。ベッドの横から、自分を見下ろすような角度。 


息が止まった。  


恐る恐る後ろを振り返る。誰もいない。


 その瞬間、また通知。3枚目。


 今度は、自分の顔がアップで写っていた。


 写真の右下には、小さく時刻が表示されていた。


 2時48分。……


現在時刻は、まだ2時47分。 


まだ撮られていない写真だった。


 震える手でスマホを落とした。


 床に転がった画面が、ひとりでに光る。


 最後の通知。


 「次の写真を撮影します。」


 部屋の隅から、シャッ……という、

足を引きずる音が聞こえた。



 その日以来、そのスマホのカメラは二度と開かなかった。 


でも、写真アプリの枚数だけは、今も毎晩1枚ずつ増えている。 


そして、不思議なことに──最新の写真には、毎回あなたが写っている。


 ……この文章を読んでいる、その姿で。