日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(八事日赤)に来ました。病院内にある性暴力救援センター日赤なごや「なごみ」を見学するためです。


「なごみ」は、24時間365日病院拠点型ワンストップ支援センターとして2016年1月5日に開設されました。県の委託事業です。性暴力被害にあった人が被害直後から回復まで1カ所で医療支援、心理的支援、法的支援、生活支援などを受けられる場です。何度も被害状況を説明しなくて済むように、性暴力対応看護師(SANE)が中心となって面接相談を行い、必要な支援につなげています。緊急避妊ピル、検体採取、性感染症検査などの医療処置、公認心理士によるトラウマケア、弁護士への相談、安全な居場所の確保、経済支援などを受けることができ、必要な機関へつないでいます。電話相談と来所相談は年々増加しており、ジャニー喜多川性加害問題や性犯罪関連の刑法改正により近年は急増しています。男性からの相談件数も増えています。

「なごみ」のデータによると、顔見知りからの被害が8割以上で、最近はSNSからの被害が増加しています。性暴力被害を受けることでPTSD(心的外傷後ストレス障害)となり、日常生活に影響を及ぼすため、より早い行動がその後の回復に重要です。電話は#8891でつながります。


警察に通報する前提であれば緊急避妊ピル、検体採取、性感染症検査などの医療処置は無料(国と県が負担)となりますが、警察に通報しない場合は約1万5,000円が自己負担となるそうです。2023年の刑法改正では、強制性交等罪の成立条件とされていた脅迫や暴行がなくても、被害者が同意していないということで不同意性交・不同意わいせつ罪に問われることになったので、男女ともに人権尊重の観点からお互い同意を取ることが不可欠だと思いました。被害者にも加害者にも傍観者にもさせないために、年齢に応じた性教育、社会に向けた広報・普及活動が大切であるとのお話でしたので、市としても取り組んでいきます。