11月2日、尾張東部衛生組合議会の視察で知多南部広域環境センター「ゆめくりん」を訪れました。半田市、常滑市、南知多町、美浜町、武豊町の可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみを処理する施設です。令和4年4月にオープンしたばかりです。3カ所あったごみ処理施設を1カ所に統合したということです。一番遠いところは日間賀島、篠島で、船と車両で搬入に1時間超かかるそうです。

みそ・たまり蔵が有名な地域なので蔵をイメージしたデザイン



プラットホーム


ごみピット・ごみクレーン
自動運転もできるそうですが、クレーンマンが手動で操作



焼却炉を同じ大きさで再現(2炉で1日283トン処理できる)



不燃・粗大ごみは、破砕機で細かくした後、磁力で鉄を、風力でアルミを取り出します。選別して売却できるものは売却しています。



管理・運営は、グリーンパーク知多南部株式会社が行っており、この会社は川崎重工と川崎エンジニアリング、地元企業の3者が出資してつくられています。20年間の長期包括委託契約です。川崎重工の方によると、「ストーカ炉が地球環境に優しい」とのことでした。溶融炉は大きなエネルギーが必要となり、炭素を加えないとできないためCO2が出ることにつながるからです。

環境学習の場であることを重視しており、1、2階は誰でも利用できます。




エネルギーを無駄なく使うため、ごみを燃やすと発生する熱を利用してボイラーで蒸気をつくり、蒸気タービン発電機で電気にしています。



電気は、この施設で使う他に、隣接する温水プール、温浴施設、トレーニング室に使ったり、売電したりしていています。温水プールは武豊町が単独で整備したプールですが、見学したら広くて驚きました。


事前に提出した私の質問に対する答えです。
・DBO方式を選択した理由はどのようか→公設公営方式、BTO方式を比較検討した。その結果、民間資金を活用する必要がない、制度変更等へのリスク対応性が高い、施設整備から運営管理までを長期包括委託する方が効率性及びコストパフォーマンスが高いため、DBO方式に決定した。

・ストーカ炉を選択した理由はどのようか→組合から知多南部広域環境組合ごみ処理施設技術検討委員会に対して意見を求めたところ、ストーカ方式が優位となり、決定した。

武豊町の議長さんが私たちを出迎えるため同席してくださっていたので、ごみ袋の値上げが焼却施設の建て替えと関係あったのか尋ねてみました。常滑市が先行して値上げをしており、隣まちで異なっているとよくないので、施設更新に合わせて半田市、常滑市、南知多町、美浜町、武豊町で一律にしたとのことでした。武豊町では値上げで利益が出る状態になっているため、イベントなどでごみ袋を町民に配布し還元しているそうです。

尾張東部衛生組合は瀬戸市、尾張旭市、長久手市で組織していますが、3市で新しい施設に建て替える計画が進行中なので、今回の視察を今後の参考にしたいです。