公募型プロポーザルで市有地菅池(すがいけ)の売却先がトヨタ自動車株式会社に決まったということです。市有地菅池(すがいけ)の隣は豊田中央研究所の敷地です。

☆市有地(横道地内)活用公募型プロポーザルの結果について→こちらをクリック(長久手市のホームページ)

菅池一帯の土地は2つの大通り(グリーンロードと瀬戸大府東海線)に面した1万9,000㎡の市の普通財産でしたが、長久手中央土地区画整理事業により市の仮換地指定の土地はブーメランのような形状で、なおかつ大通りに接しない奥地となりました。もともと菅池だった部分の大半の土地は東京インテリア家具店が取得しています。東京インテリアと豊田中央研究所の間のブーメランのような形状の土地が市の土地です。

名古屋方面からグリーンロードを走行してきた場合、東京インテリアのお客さんは交差点を右折して入ることができますが、東京インテリアの南側にある市の土地へは入るためには長久手インターの交差点まで遠回りしなければたどり着けません。菅池はリニモ古戦場駅前にありますが、長久手インターはリニモ芸大通駅よりも八草寄りの位置です。

今回の売却と区画整理事業により、1万9,000㎡あった市の普通財産菅池はすべてなくなりました。どうしてこのようになったのか疑問が残ります。

さとうゆみ令和3年9月議会一般質問から
~長久手市議会会議録令和3年第3回定例会(9月17日 )から引用~
○12番(さとうゆみ君) 3項目め、市が仮換地を受けた菅池の土地について。
 (1)市が仮換地を受けた長久手中央土地区画整理事業地内の菅池部分の土地を、令和3年度中に売却する方針としたのはなぜでしょうか。
 (2)菅池部分の土地の面積はどれだけで、金額にして幾ら相当分で仮換地を受けているのでしょうか。
 (3)老朽化のため建て替えが必要な長湫東保育園の移転、新築先の候補地として、この土地が上っていましたが、断念した理由はどのようでしょうか。
 以上です。
○議長(伊藤祐司君) 質問は終わりました。
 続いて、当局の答弁を求めます。市長公室長。
            [市長公室長 加藤正純君登壇]
○市長公室長(加藤正純君) 市が仮換地を受けた菅池の土地についてお答えをいたします。
 1点目について、平成31年4月に策定した長久手市行政改革指針改訂版で、市有財産の整理を示し、その具体的な取組となる重要課題事業の第2弾において、普通財産の有効活用の方針を示しました。その方針に即して、今年度中に売却することとしました。
 2点目について、土地の面積は39街区1が6,667.92平方メートル、39街区2が340.94平方メートルで、合計7,008.86平方メートルです。金額については、土地区画整理事業では、換地の土地の実勢価格の算出は行っていません。
 3点目について、長湫東保育園の移転先をこの土地としなかった理由は、自動車でこの土地へ出入りするための道路が西向き、名古屋方面しかなく、保育園の送迎を考えた場合、西側、これ名古屋方面から送迎する保護者が毎日遠回りする必要があり、利便性の問題があると考えたからでございます。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。さとうゆみ議員。
○12番(さとうゆみ君) まず、(1)の答弁では、平成31年4月策定の長久手市行政改革指針改訂版での方針に即して売却することにしたとの答弁でありましたが、1年前の9月議会でも、私は菅池のことを取り上げておりまして、令和2年9月の時点では、菅池の土地7,008.86平方メートルを売却するか貸付するか保有するかは決まっていないとのことでしたが、今回、売却すると決断した経緯はどのようでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 市長公室次長。
○市長公室次長(若杉玲子君) 先ほど答弁しましたとおり、行政改革指針の重要課題事業、その中で普通財産の有効活用を推進し、行財政運営の資金の調達を図る方針が示されました。これを受けまして、令和3年2月に該当地を公共公益施設として使用する可能性があるか、全庁的に確認した結果、将来的にも利用の見込みがなく、売却しても支障がないと判断し売却事務を進める方針を出しました。なお、貸し付ける場合、行政財産として活用が確認された場合、公共事業の事業化までに相当年数を要する場合、売却が困難な資産などのケースが考えられますが、この菅池については、これらに該当しないため売却という判断をいたしております。
 以上です。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。さとうゆみ議員。
○12番(さとうゆみ君) 今、この土地を将来的にも利用の見込みがないということをおっしゃったと思うんですけれども、仮換地を受けて、もう最初から利用の見込みがないとか、結局は利用できないような土地であったということになるんですけれども、そこで市長にお尋ねをいたしますが、この仮換地指定の書類に印鑑を押しているのは、市の代表者である市長であります。まず、仮換地の土地の算出はしていないとの先ほど答弁でしたが、およそ幾らかということも把握せず、さっぱり金額は分からないまま印鑑を押したということなんでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 建設部次長。
○建設部次長(川本保則君) 区画整理の換地計算方法は、価格で評価をすることはしませんので算出されておりませんが、区画整理事業において、換地と従前地とはおおむね等価であるという原則がございます。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。さとうゆみ議員。
○12番(さとうゆみ君) 等価であるという話なんですが、本当に等価、等しいということなのかどうか私はちょっと疑問だなと思うんですけれども、平成24年10月の段階で、今の場所で仮換地を了承しているんですけれども、その際は、組合の提示どおりで市は納得したということなのかお尋ねいたします。
○議長(伊藤祐司君) 総務部次長。
○総務部次長(加藤英之君) 土地区画整理事業におきましては、事業計画に基づいて配置された宅地の部分、ここに原則、現位置換地ということでされますので、今回の菅池の部分における換地というのは、もともとため池であった間に換地をされたわけでございます。また、換地される面積につきましても、環境法令上の手続により定められた上での土地評価基準ですとか換地設計基準等により、公平・公正に算定はされておるという認識をしております。なお、換地された土地の今後の土地活用に関してでございますが、平成24年の仮換地指定を受けた当時ですね、市としては、まだそういった目途が立っておりませんでした。公共的に利活用を図るのか、あるいは貸し付けるのか売却なのかといった目途が立っておりませんでしたので、その際の市の考えといたしましては、換地においては面積は極力大きく、また、土地は一団のほうがいいだろうという判断等も含めて、総合的に判断していこうという経過がございました。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。さとうゆみ議員。
○12番(さとうゆみ君) この平成24年というのは、前の町長から今の市長に交代してすぐの時期なんですけれども、私が過去の会議録を読みますと、前の町長は、この菅池の土地、市の土地を非常に大切にしているなということが分かりまして、過去のこの菅池に新庁舎を建てないかという質問をしていた議員がいるんですけれども、それに関しても前の町長は、自分の庁舎の建替えについては、自分の代ではなく次の代の首長が判断することということで、明確な答えはしていなかったんですけれども、やはり、この菅池の土地に対する思いは強かったんではないかなということが過去の会議録から読み取れます。それがお手元の資料を御覧いただきたいと思います。
 まず、変更前と書いてあるページを見ていただきますと、長久手市の仮換地の土地が、ごめんなさい、これはまだ変更前ですので、一番最初のほうの段階ですと、39街区の1で7,703平方メートル、39街区の2で324平方メートルということになっておりまして、市の仮換地の土地の右側の保留地700平方メートルと、その上の保留地6,491平方メートルと、その上の保留地4,490平方メートルとあるんですけれども、ここは本来全て登記上、市のため池として市の所有の土地となっておりました。この大きい保留地の部分には、現在、東京インテリアが大きな建物を建てております。裏を見ていただくと、その後は平成30年10月の時点で、リニモテラス用地を購入する必要が出てきたということで、この39街区の1と2を少し面積を、道路を下げて上の保留地を大きくすることで、39街区の面積を狭くしまして、その分、古戦場公園の向かいのイオン側のほうですね、グリーンロードを渡ったイオン側のほうの748平方メートルを長久手市の土地ということで変更されまして、これが今の状況でもあります。それで私はこの土地39街区の、ある意味ブーメランのような形の土地のところに行ってみましたけれども、まず、グリーンロードから、先ほど長湫東保育園として使えない理由としても、道路が名古屋方面にしか行くことができなくて、仮に名古屋方面からこの土地にこようとすると、物すごく遠回りをしなきゃいけないからというお話があったんですが、実際に私が行ってみたところ、長久手インターの交差点まで行きまして、途中でグリーンロードは中央分離帯があることと交差点が全然ないこともあるので、まず、長久手インターの交差点まで行きました。それでグリーンロードに出て走っておりますと、左手に芸大通駅、リニモの駅があったんですけれども、この菅池は長久手古戦場駅前ですので、この土地に行くために、芸大通駅よりもさらに八草寄りのほうの交差点から入り込まないと、この土地にはたどり着くことができません。当初、仮換地を受けたときに、そもそも区画整理事業というのは、できる限り土地を四角形に近づけるということが標準のやり方であります。そして道路に面していないと土地価格は下がりまして、実際、今ここへ行きますと、保留地のところに、長久手市の仮換地の土地のすぐ真ん前には東京インテリアの白い大きな建物が壁のように建っておりまして、その反対側の後ろのほうですね、そちらは豊田中央研究所の敷地なので、道路も抜けてなくて行き止まりになっております。先ほど言いました、道路もここにたどり着くためだけにも、非常に大変な状況となっております。仮換地指定を受ける際に、できるだけ四角形に近づけてほしいとか、出入りしやすいような道路に面しているところにしてほしいといった協議はしなかったのでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 総務部次長。
○総務部次長(加藤英之君) 市が組合と協議したのかというようなことですけれども、土地区画整理事業の仮換地の指定と申しますのは、施行者である組合が、法令等に基づいて行う処分でございます。市は指定を受ける仮換地の説明を組合から受けまして、区画整理の原則でございます、先ほども申し上げましたが、照応の原則に基づき、また、土地評価基準あるいは換地設計基準に基づいて、適正に行われているかというところを確認し、支障ないという判断をしたところでございます。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。さとうゆみ議員。
○12番(さとうゆみ君) 今、照応の原則ということですけれども、区画整理事業では、もともと条件のよかった土地はよい条件で換地して、もともと条件があまりよくなかった土地はそれなりの土地ということで、権利者の不均衡を防ぐようにしておりますが、この菅池の土地は、まず、リニモの駅前すぐですし、グリーンロードとあと瀬戸大府東海線という大きな通りに2つ面している、ある意味、一等地だと思うんですよね。今回の区画整理事業に参加することで、その区画整理事業では、イオンという大規模商業施設もすぐ近くにできましたし、周りには公園が幾つかありますし、良好な住宅街も広がっておりますので、私は、照応の原則には反していると考えております。
 そこで市長か副市長に、副市長にお答えいただきたいと思いますけれども、市の財産は市民の財産であるという視点で考えると、これでよかったのかなということは、非常に私は市民の一人として疑問なんですけれども、あとですね、地名についても、東京インテリアが今出てきているところの地名は、もともとは菅池という地名でして、過去にですね、広報で平成33年頃に換地処分します。換地処分後の住所は、以下のとおりとする予定ですと書いてありまして、その時点では、菅池やよし池という住所が載っていたんですよね。アンケートで菅池やよし池という住所を消してほしいという意見は全く出ていなかったんですが、何か理由も分からず菅池とよし池を消して、全部、横道という住所にしております。菅池の地名も消して、今回、売却をすることで、市の財産であった菅池は、地名も土地も姿形がなくなってしまいますが、副市長としては、これでよかったと考えているのかお尋ねをいたします。
○議長(伊藤祐司君) 総務部長。
○総務部長(中西直起君) 今、2つの御質問ですけれども、1つは、この経緯を踏まえて、市の判断が適切であったのかどうかということですけれども、それについては今、総務部次長が、これまでの経緯、区画整理事業の進捗の状況、そして本市が判断をした、その内容についてお答えをしております。結果として市の判断として、それは適切なものであったというふうに考えております。
 もう一つ、町名のですね、設定の件については、これは6月議会でしたかね、3月議会でしたか、御質問がありましたので、そのときにもお答えしました。確かに最初のアンケート、最初のアンケートで提示したものと最終的な決定は違っておりました。それは市民からの意見を踏まえて、また、菅池の部分に、アンケートを踏まえてですね、そのあとの町名の設定基準ですとか、あと、そこの字名の由緒であるとか、そういったことを最終的に整理をし直ししてですね、最終的なここの町名を決めたということについては、当初これを議案として挙げたときにも説明いたしましたし、先日、一般質問の中で議員がお尋ねのときにも、経緯を再度説明したように記憶しておりますんで、既にそれについてもお答えをしたと記憶しております。以上です。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。さとうゆみ議員。
○12番(さとうゆみ君) 今、総務部長の答弁は適切だったというお話ですけれども、この池のところは1万9,000平方メートルの広さがありましたけれども、結果的に、今回、売却をして姿形もなくなってしまうということになるならば、私は適切ではなかったというように思います。そして住所についても、広報で換地処分後の住所は、以下のとおりとする予定ですと書いてありまして、特に意見がないのに、やっぱり面積が狭いから横道にしましょうという、よく分からない何か違う要素が加わったんだとは思っていますけれども、それで本当に地名も全部なくなってしまって姿形も消えてしまうということについて、副市長はどうお考えなのか、最後にお答えください。
○議長(伊藤祐司君) 副市長。
○副市長(鈴木孝美君) お答えするというよりも、この土地の履歴を少し説明をさせていただいて、御理解いただければと思っております。
 長久手中央土地区画整理組合が発起人の段階で、なかなか同意が集まらなくて苦労をされておりました。やっぱり減歩率がかなり高い状態でありまして、それを何とか適正な価格に抑えておきたいと、その段階では、この菅池は池のまま残す状態でございました。理事の中にはですね、区画整理事業で北側の農地が全部宅地に変わるわけで、菅池、よし池とか深田池のですね、機能はもうなくなる。特に愛知用水の受益を受けた地区ですので、それが全部なくなるということは、区画整理事業をやることによって、この池の機能はなくなるわけで、それは区画整理事業のためにぜひ使ってほしいということで、全筆この部分を区画整理事業地域に入れてほしいという強い希望がございまして、市としては池のまま残すのか、それとも区画整理事業に提供して宅地、宅地というか当時は埋めてですね、改良するかという話になったわけでございます。一般的にこの池を単費で埋め立てていくと、当時は産業廃棄物というか泥が排出しなきゃいかんかったし、境界が非常に不確定なところでございましたので、その責任を全部負って、市がですね、土を埋めて売却すると、埋めた経費よりも売る売却益が少ない可能性も当時はございました。そういった持っていてもなかなか処分に困る土地でもありましたし、それから区画整理事業によって池の機能が、ため池の機能が不要になるということは、区画整理事業のために変わるわけですので、それを区画整理事業者側にですね、提供して整備をすることのほうが、合理的であるという判断を最終的にさせていただきました。私、当時、担当の課長でございましたので、その辺の何回かのやり取りは全部記憶しております。以上です。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。
 次の項目の質問に移ります。
~引用終わり~
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。