今日、コロナワクチン1回目を接種した。年齢の高い人から順に接種が進められているが、ファイザーワクチンは待つ人が多いものの、モデルナワクチンには空きがあり18歳以上の市民なら予約可能となったため、私の順番は意外にも早く来た。 

思い返せば2020年1月20日、私は香港国際空港にいた。1月24日から始まる春節(旧正月)を迎える準備で空港は華やかに飾られていた。スリランカのコロンボ行きの飛行機に乗り換えるまで6時間あった。本来ならば香港市街地へ2~3時間出て、再び空港へ戻ってきたいところだったが、香港では民主化を求めるデモが日に日に激化しており、6時間を空港で過ごすことにした。香港国際空港に到着するなり、私のドコモの携帯に「暴動に注意」の自動メッセージを着信。そのとき、私はコロナのコの字も知らない。中国の一部の地域で「謎の肺炎」が発生しているという報道はあったが、WHOがヒトヒト感染を認めるまでにはまだしばらく時間があった。

スリランカで4日間を過ごし、再び香港国際空港に戻ってくると、マスクをしていない人がいないほどの厳戒態勢に変わり、行きとは異なる光景になっていた。しかし、中部国際空港セントレアへ到着すると、日本は平常であった。税関の職員に頼まれ、私はセントレアで麻薬探知犬の訓練に参加する余裕もあった。そして、翌週には予定どおり議会の1泊2日の委員会視察にも出かけた。視察先の石川県加賀市から帰ってきた直後、ついに日本も厳戒態勢となった。新型コロナウイルス感染症第1波、第2波、第3波、第4波と繰り返し、今は第5波の入口にいる。私の2回目のワクチン接種は8月21日の予定である。香港国際空港に立っていた頃の振り出しに戻れるのは、遠い未来のことなのかもしれない。