2月8日、ウィルあいちで開催された河合雅司氏の講演会「未来の年表~人口減少日本で起きること~」へ行きました。年末に、私が河合雅司氏の本を読んだ感想をブログに書いていたら、知人が今回の講演会のチラシを持ってきてくれて、参加することができました。

以下は私のメモです。

2018年の日本の出生数は92万1,000人、死亡は136万9,000人で44万8,000人の自然減。自然減はこの先どんどん続く。未来は分からないはずだが、出生数が良くない方向へ進むことが決まっている。その理由は少子化により子どもの数が減っていること、そして将来お母さんになる女の子の数が減っていることである。多数の女性が子どもを6~7人産む状況でないと日本の人口減少は止められないが、現実は難しい。

日本の人口は、40年後に今の7割に、100年後には今の半分になる。日本の高齢者の数は2042年にピークを迎え、2043年以降は高齢者も減り、若い人も減る。今の小中学生が大人になったとき、人口減少社会に対応していかなければならない。

愛知の人口も当面高齢者の増加が見込まれている。今までの効率化中心、若い人中心で行ってきたことについていけない人が多くなり、高齢者に根ざしたまちづくりが求められる。お店での売り方なども変えていく必要がある。

人口減少社会では、働き手不足(社会の支えて不足)が深刻になる。2040年までに、今の働き手6,000万人から1,500万人が減少する。医師不足で地域医療は崩壊、ドライバー不足で物流は麻痺、地方では自治体職員が確保できなくなることが予想されている。

2016年には、前期高齢者の数より、後期高齢者(75才以上)が多くなった。2067年には出生数より100才以上の数が多くなる見込み。

女性は男性より寿命が長く、一人暮らしの女性が増える。買い物や通院など当たり前のことができなくなる人が増え、どのように暮らしを機能させていくかが課題となる。今の一人暮らしは、いざという時に連絡がとれる親族がいるが、これからは身寄りのない高齢者が増加する。

政府は人口減少社会に対応するために4本柱を掲げている。①外国人労働者の受け入れ②AI,ロボットの実用化③高齢者の社会参加④女性の活躍 
どれも重要だが、切り札にはならないと河合氏は言う。1,000万人超の外国人が来るが、5年経ったら帰ってくれというような日本の制度ではどこまで続けられるか疑問。2045年に9割はAIで機能する世の中になると言うが、AIのトラックでは、家の前で止めて不在通知を入れられるのか、冷蔵庫や洗濯機を設置してくれるのか。タクシーは乗りたいところで乗り降りたいところで降りる乗り物なので、人間の運転が求められる。高齢者の労働力や女性の労働力は、これまでの若い労働力の不足を補うということには至らない。4本の柱を言うのは簡単だが、社会問題を解決するにはまだ時間がかかる。そもそも国は、団塊の世代が減る2025年問題に追われて、その先に考えが及んでいない。今、高齢者は人口の4分の1から3分の1を占める状況へ向かっている。やがて半分が高齢者になる社会が訪れ、戦後の成功モデルは崩壊する。大量生産大量販売は成り立たない、大都市への集中(少子化による地方の若者不足)、新卒不足・職場の高齢化で終身雇用、年功序列は破綻する。ドイツやフランスは日本よりGDPは小さいが、豊かに見えて、世界での発言力も高い。河合氏の提案としては、地区や企業がなくてはならない存在になることが必要とのこと。1,000人で100億円稼ぐものを、500人で80億円稼ぐ世の中にし、ひとりあたりのGDPを大きくしていく。今の日本は前年よりも次の年に稼ぎを拡大をすることが目標となっているが、欲張らないヨーロッパ型の暮らしを真似することが大切。

そして、おばあちゃん大国日本のおばあちゃんのコミュニケーション力を活かすにも、地域の人々が来たい時に来て帰りたい時に帰ることができるという点でも、誰もが参加できるお祭りのイベントが、これからの人口減少社会をつなぐカギになるとの結論でした。