長久手市議会教育福祉委員会の委員全員で、とよた子どもの権利相談室と豊田市中央図書館を訪れました。 

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昨年8月に委員全員で東京都世田谷区の子どもの人権擁護機関「せたホッと」を訪れた際、豊田市を視察するとよいと薦めていただき、今日実現しました。
せたホッと視察報告さとうゆみ2016年8月9日のブログ→こちらをクリック

とよた子どもの権利相談室は、相談委員4人、子どもの権利擁護委員3人(大学教授1人、臨床心理士1人、弁護士1人)で対応しています。豊田市では平成19年に「豊田市子ども条例」が制定されています。条例に「子どもの権利の侵害に対する救済と回復を支援するために豊田市子ども擁護委員を置く」と明記されており、これに基づいて子どもの権利相談室が設置されました。当初、学校からは「保護者の味方ではないか?」「学校のあらさがしに来たのではないか?」と警戒されたので、教育委員会に連絡を入れてから行くなどのルールを作り信頼を得たそうです。相談時間は水、木、土、日曜日の午後1~6時まで、金曜日の午後1時~8時までです。以前は月曜日も受けていましたが、相談員と権利擁護委員のケース会議を行うため、月曜日は行わないことに変更されました。親が相談をしてきた場合、基本的に子どもから直接話を聴き、子どもの視点で考えるようにしています。メールでの受付もしていますが、メールのやり取りは最初のみで、会って話すことを原則としています。相談はいじめや交友関係が中心で、最近では発達障がいの傾向のある子どもへの対応について親からの相談が増えていると言います。子どもの権利相談室での対応は18才までですが、豊田市には39歳まで対応する「若者サポートステーション」があるので、そちらへ引き継いでいます。豊田市のすべての小中学生は、道徳の授業で子どもの権利の学習をするそうです。そのために、豊田市子ども部次世代育成課が「子どもの権利学習ノート」を作成しています。
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子どもの権利擁護以外にも「子ども条例」に基づいて「子ども委員会」が設置され、「子ども総合計画」も策定されています。「子ども委員会」は市長への提言を目的としています。昨年度は22人が立候補し、大学生がサポーターとしてつき、取材に出かけるということです。自分の取り組みたいテーマに取り組めるよういくつかのグループに分かれています。

「子ども総合計画」は、保護者代表、学校代表、医師会、法務局、警察、商工会、豊田自動車、NPO、公募市民など30人弱で組織された「豊田市子どもにやさしいまちづくり推進会議」で議論され作られています。この推進会議では、「子ども総合計画」のほか、子どもに関する施策の実施に関すること、子どもにやさしいまちづくりに関することについても、話し合いをしています。市の総務部長だった人が教育長になっているので、市長部局と教育部局の連携がうまくいっているというお話をもありました。 
とよた子どもの権利相談を視察して、理念条例にとどまらず充実した取り組みを実行していることに大変感心しました。長久手市には子ども条例もなく、子どもの権利擁護の専門的な機関もなく、子どもの権利擁護の施策が不十分ですので、委員全員でどうあるべきか話し合いをしていきます。

豊田市中央図書館は、市直営で運営されてきましたが、今月から指定管理者制度を導入して民間企業に運営を任せています。豊田市中央図書館は平成10年11月に駅前にオープンし、19年目を迎えています。中核市の中では一番面積の広い図書館であり、政令市を入れても上位にランクインする面積があります。中央図書館の蔵書数は114万冊で、子ども図書館と公民館に置いている本を合わせると175万冊です。指定管理者を公募した際、市は複数の会社が応募することを期待していたが、1者のみの応募であったということです。指定管理者になったのは、TRC・ホーメックス共同企業体です。平成29年12月にこれまでの図書館システムの契約期間が終わるため、平成30年1月からICシステムを入れる予定です。指定管理者制度を導入したきっかけは、平成20年度をピークに来館者が減少しており、3つの柱(出会い、子ども読書、地域の課題解決)をもとに魅力ある図書館をつくるために民間のノウハウを活用したいと考えたからだそうです。指定管理者制度導入にあたり、市の教育委員会に「図書館管理課」を新たに設置しています。図書館と市内の書店は共存してきたため、指定管理者制度導入後も図書の購入費の8割は市内の本屋さんから購入することになっています。TRCが選書をし、市の図書館管理課の職員や司書が確認するということです。年間ランニングコスト6億円は指定管理者制度導入後も変わりませんが、ICシステム導入による業務の負担軽減額を見込んで開館時間をこれまでの平日19時まで、土日祝18時までから、一律20時までに延長したということです。指定管理者制度に切り替わり、TRCに移った司書は結果的にひとりもいなかったそうです。長久手市の図書館も、まだ具体的な検討には入っていないものの、指定管理者制度の導入が選択肢の1つに出てきているため、今日の視察を今後の参考にしていきます。


大型活字本
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点字本
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障がい図書が充実しています。点字にしたり、音声を録音するなどの障がい者サービスのボランティアが70人いるそうです。読み聞かせなどのボランティアも含めると400人いるそうです。

通路が広い
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豊田市ならでは自動車の専門書がたくさん
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本多兄弟から寄贈を受けたもの
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向かいには再開発のビル
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この中にイオンシネマが入るそうで、映画とコラボした企画も考えているそうです。