相変わらずミス多発の長久手市役所です。今回の3月議会も開会直前に議案の差し替えがありました。平成28年度一般会計補正予算において、前回の12月議会で繰り越し明許とした臨時福祉給付金事業7791万3000円を、再び今回も計上したというミスです。さらに2月17日、特別支援学級に通う生徒の教育費を支援する奨励費を過払いしたとして新聞に載りました。  

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数年前から長久手市役所ではミスが多発しており、市民のためにも市職員のためにもならない状況だったので、私は前回の12月議会で「相次ぐ市役所のミスの再発防止策はどのようか?」という一般質問をしました。しかし、私の質問は全然通じていないな…。ミス多発の緩んだ体制に一旦陥ると、そう簡単には戻らないのが現実なのかもしれません。長久手市役所は、市民が納めた税金をもとに年間300億円近くを動かすため、このようなミスが組織としてすり抜けていく体制は大変問題です。

以下、私の12月議会の一般質問の会議録です。長いですが、読んでください。

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○議長(伊藤祐司君) 次の項目の質問を許します。13番さとうゆみ議員。
○13番(さとうゆみ君) 3項目め、相次ぐ市役所のミスの再発防止策はどのようか。
 (1)「平成28年度長久手市公園西駅周辺土地区画整理事業特別会計予算書」にゼロ1桁間違っていた項目があり、議会が開会する直前に差しかえたが、ミスが起きた要因と再発防止策はどのようでしょうか。
 (2)長久手市監査委員事務局は、既に退任した代表監査委員の名前を記載して例月出納検査の結果の報告書類を議員に配付し、議会が開会する直前に差しかえを行ったが、ミスが起きた要因と再発防止策はどのようでしょうか。
 (3)杁ケ池体育館の公用車は、しばらくするとハザードランプが点灯しないふぐあいがあることを発見していながら使用を継続していましたが、公用車の管理が徹底されていなかった要因と再発防止策はどのようでしょうか。
 (4)市が60%出資する第三セクター、株式会社長久手温泉の平成27年度の決算について、市の出資金6,000万円のところを6億円と記載して市は公開していたが、ミスが起きた要因と再発防止策はどのようでしょうか。
 (5)市職員が昨年度1年間の市の事業を検証した行政評価(内部評価)の資料について、7つの部のうち6つの部で事業費や評価に間違いがあり、外部委員の評価を受ける前に差しかえを行いましたが、ミスが起きた要因と再発防止策はどのようでしょうか。
 (6)上記の市役所のミスは、職員個人のミスではなく、組織としてチェック機能が働いていないために発生したミスです。市長は相次ぐ市役所のミスを振り返り、どのように考えているでしょうか。
 以上、6点です。
○議長(伊藤祐司君) 質問は終わりました。
 続いて、当局の答弁を求めます。総務部長。
              [総務部長 布川一重君登壇]
○総務部長(布川一重君) それでは、3項目め、相次ぐ市役所のミスの再発防止策はどのようかということで、6点御質問をいただいております。御答弁をいたします。
 1点目について、ミスが起きたのは、事業担当課と予算を統括する財政課など関係各課の情報の共有と確実なチェック体制がとれていなかったことなどが原因です。再発防止策としては、文書の配付前等には、必ず複数の担当者による確認を徹底することとします。
 2点目について、効率よく事務を進めるため、過去の報告書類のデータに上書きをして文書を作成しましたが、確認が行き届かず、不注意で6月に代表監査委員が交代したにもかかわらず修正できていませんでした。現在は浄書、校合を徹底し、再発防止に努めています。
 3点目について、法定点検は実施していましたが、初めてふぐあいを確認した後、直ちに修理を行わなかったことが要因です。再発防止策としては、公用車の軽微な不良であっても、すぐに上司に報告し、迅速な修理等の対応を徹底しました。
 4点目について、株式会社長久手温泉の経営状況報告に係る「第三セクターの情報公開」を市において作成する際、出資金額の桁数を誤って記載し、会社から提出された資料との確認作業が不十分であったことにより、生じました。再発防止策としては、文書の配付前には必ず複数の担当者による確認を徹底することといたしました。
 5点目については、行政評価が例年行われることから一連の作業になってしまい、十分なチェック機能が働かなくなってしまっていたことは反省点と考えております。今後は、行政評価という業務の重要性を意識し、複数の職員による確認等を徹底し再発防止に努めます。
 6点目について、1点目から5点目までのミスなど、個々の要因をつぶさに検証し、組織として今まで以上に意識し、確認することを徹底し、必要なチェック機能が果たせるよう再発防止に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。13番さとう議員。
○13番(さとうゆみ君) ヒヤリハットの法則ということを皆さん御存じですね。正式にはハインリッヒの法則というのですが、ハインリッヒは5,000件以上に及び労働災害を調べ、1件の重大事故の背景には29件の軽い事故、災害が起きており、さらに事故には至らなかったものの一歩間違えば大惨事になっていたヒヤリハットする事例が300件潜んでいるという法則を示したものであります。これは統計上の研究でありまして、ビジネスにも当てはまると言われております。ハインリッヒが一番言いたかったことは、ささいなヒヤリハットを見逃さずに対策していくことで、重大事故の98%は事前に防げるということです。私が今回この通告書に書いたものは、全てことしに入ってから市役所で起きたミスです。ハインリッヒの法則では重症に該当するものばかりですが、ここに至るまでには、多くのヒヤリハットがあったということは職員の皆さんも気づいていらっしゃることと思います。私も2年ぐらい前からかなり大きなミスが相次いでいるということが聞こえておりまして、例えば市役所の保育園を、公立の保育園をやめた保育士さん、同時に2人やめたんですけれども、離職証明書など個人情報を書いたものを別の方に送ってしまいまして、当時の人事課長が謝りに行ったんですけれども、その後に子育て支援課からその方に対して出す書類が一向に送られてこないので、御家族の方が市役所の子育て支援課に行きましたところ、山積みの資料の下からその方の紙が見つかりまして、結局何も書いていなかったので、きょうは渡せないということで帰っていただいたんですけれども、1人の方に対しても個人情報が違うものを間違って送った上に、子育て支援課も山積みの資料の中にその方に渡すべき資料が紛れていたということもありましたし、また、保健センターで健診を受けた無料でない方を無料にして、無料の方からお金をとったりしていたということがあったということも聞こえてきました。また、2年前に小学校の入学通知の御案内が郵便で届いてきまして、その後、2日後にもまた入学式の案内が届きまして、結局2日前に送ったものは日にちを間違えていたと、入学式の日にちを書き間違えていたということで、また送り直していたということで、非常にこのヒヤリハット、1対29対300のその29とか300に該当するものが多々起きていたことは、私も市民の方から聞いて気づきましたし、職員の皆さんが一番気づいていらっしゃると思います。それで時間がないので、重症度の高い5点目の再質問からいたしますが、内部評価の資料、議員に配付する段階のもので間違えていたということだったので、私はせいぜい数枚差しかえるのかと思いましたが、実際は49枚も差しかえを行いました。それで49枚差しかえて、準備が整って外部評価を受けるのかと思って私は初日の外部評価を傍聴しましたけれども、そうしたところ生涯学習課ではスライドの資料の記載間違いが多く、改善見直しなのに継続とかけ離れたことが書いてあったり、事業費の金額も違っていたり、チャート図も違っていたりということで、何が正しいのかわからなくなるほど、あちらこちら間違っておりました。そのようなことの確認に外部評価から指摘や確認が相次いで、本来の外部評価というのができておりませんでしたが、生涯学習課は、なぜこのようなことになったのでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) くらし文化部次長。
○くらし文化部次長(加藤正純君) 大変申しわけございませんでした。我々やはり上司のチェック、いわゆる二重、三重のチェックを怠ったためだと思っています。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。13番さとう議員。
○13番(さとうゆみ君) この項目の先ほどの答弁も要因は基本的に確実にチェックができていなかったということが全ての要因だと思います。
 それで1点目の公園西駅の予算の1桁が間違っていたこと、また2点目の代表監査委員の名前の間違い、4点目の株式会社長久手温泉の出資金の1桁間違い、これらについては、課長、次長、部長と順に決裁の印鑑を押していたということですが、結局ミスはすり抜けておりますので、決裁ということ自体が職員の皆さんは印鑑を押すことが目的となっていて、中身を確認することが目的になっていないのではないでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 総務部長。
○総務部長(布川一重君) 今、議員の御指摘については、事実でございますので、これは甘んじてお受けさせていただきます。
 それで確かにミスは日常的にあります。ハインリッヒの法則についても5Sをやっておりますので、非常にそのことはトヨタ職員OBの方からきつく言われております。こういった中で、とにかく5Sの中でも文書を減らし、決裁をできるだけ簡素化して、そしていわゆるルーティン作業なんですね、このミスのほとんどの要因は。ルーティン作業の中で何が、やっぱり決裁の中身をやっぱりもう一度確認するということと、それとルーティンであるがゆえにルーティンのミスが起きてしまうということではいけませんので、そこら辺については真摯に受けとめて徹底したいと思います。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。13番さとう議員。
○13番(さとうゆみ君) 人間は誰でも間違いがありますので、職員1人が間違えたことについて私はとやかく言っているわけではないんですが、ルーティン作業の中で、組織としてきちんとチェック体制が働いていないことが余りにも多過ぎるという状況を今指摘をしております。
 それで3点目の公用車の管理の件ですけれども、監査委員の指摘で発覚をしているんですが、今回の杁ケ池体育館の公用車は実際、全部の車を管理するのは財政課ですか、こちらの担当なんですけれども、実際車を使っていたのは杁ケ池体育館ということで、責任の所在はどこにあって、また再発防止策として何か策を講じたのでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 総務部次長。
○総務部次長(青山 均君) 杁ケ池体育館で使っていた公用車というのは、いわゆる専用車ということで、杁ケ池体育館のそこの課長が基本的には管理をしております。ただし、そういった管理をしたという自動車運転管理日誌については、全体の公用車の管理をしております安全運転管理者、総務部長でございますけれども、こちらのほうに報告書として回ってくるところでございます。その中でのふぐあいがあったというチェックがありまして、そのふぐあいがあったことに対するスピーディーな対応を怠ったこと、それから怠ったことに対するこちらの総務部長の安全管理者としてのアドバイスといいますか、すぐ直さなければいけないという指摘もちょっと甘かったという部分があります。これにつきましては、今回の指摘、監査委員からいただいたわけでございますが、公用車の管理を総括している財政課におきまして、軽微な不良であっても迅速に対応するように全職員に周知をこれは4月5日に行いました。それからあわせて指示事項としましては、日常点検を徹底してもらい、不良箇所を発見した場合は、速やかに当該公用車を管理する職員に伝えて指示を仰いでくださいと、この2点について、4月5日付で全庁の職員に対して、事務連絡を行ったところでございます。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。13番さとう議員。
○13番(さとうゆみ君) 長久手市役所では体制が緩いことを見抜かれていたのか、ちょうど2年前の12月に市役所庁舎内で盗難事件がありました。現金14万8,000円、キャッシュカードから89万2,000円を引き出され被害額は合計104万円でありました。職員の個人的なお金や課の積立金ということで公金はとられていないということでありますが、庁舎内の複数の箇所から100万円を超えるお金を持っていける体制にあったことが驚きであります。この盗難の件は、まだ犯人の方は見つかっていないということですが、その後の捜査はどのようになっているのでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 総務部長。
○総務部長(布川一重君) その盗難事件に関しては、直ちに愛知警察署内に届け出をして、愛知警察署のほうから署員が来て、点検をしていただきましたが、その後の進展については特に御報告もありませんし、催促はしておりません。ただ、この案件につきましては、連休明けを狙ったものであるとか、非常に特定の人しか入れないところを狙ったということで、かなり手なれた手口ということを聞いておりますので、なかなか犯人捜索には難しいということは報告を受けております。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。13番さとう議員。
○13番(さとうゆみ君) それでは、今回は市長に答えていただきたいと思いましたが、先ほど総務部長かな、答えていただきまして、市長に聞きたかったことは、市長は職員の皆さんに失敗してもいい、ゆっくりやればいい、市役所は倒産しないというようなことを言っていらっしゃいまして、私も何度も耳にしましたが、そのような声かけが失敗してもいいんだ、ゆっくりでいいんだというような緩みにつながり、ミスが連発した要因になっていると私は感じますが、市長の考えはいかがでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 市長。
○市長(吉田一平君) 私はそうは思わない。なぜかというと、むしろ例えば機械に頼って、カーナビに頼って行き先を後で覚えていないと同じように、全て今、人の交流がない。例えばこのまちの中でもいろんな課題は交流があれば8割は解決できると、これは誰の言葉かわかりませんけれども、そういうことは言われている。今、余りにも挨拶運動は、市民の皆さんが挨拶運動をやれということで挨拶に来て、こうやっているんです。子どもも孤独、親も孤独、介護者も孤独、要介護者も孤独、職員もそうです。みんながちょっと声をかけて、判こだけのつき合いじゃなくて、もうちょっととにかく早く早くじゃなくて、もっと私は地域の人ともじっくり話をし、交流し、挨拶をしということをお金にならんことで目立たないことですが、それをきちっとみんなやり続けていくと、このまちは変わると私は思っているんです。そういう意味では、ゆっくりやって失敗しても、それでいいんです。そんなことよりも人に任せず、機械に任せて挨拶もせずにやっているところからいろんなことが始まっていると私は思うんですが、それは言い過ぎかもわかりませんが、一緒になってこのまちを変えていくには、やっぱりそういうことを一遍一緒に考えていったらどうかなと。だから職員の皆さんも、あれが間違っている、これが間違っていなくて、判このチェック、文字のチェックじゃなくて、日ごろ声かけをしたり、大丈夫かというようなことをもっともっとやることが私は必要な時代になったんじゃないかということを思っていますが、いかがでしょうか。
○議長(伊藤祐司君) 再質問はありませんか。13番さとう議員。
○13番(さとうゆみ君) 今、ゆっくりやって失敗してもよいということをおっしゃいましたが、するとこの5点目までもよしというようなことになると、結局さらなるミスが起きまして、それは結果的に市民のためになりませんし、職員の方々のためにもなりませんので、最後統率しなければいけないのは市長ですので、多分市長の言っていることは多分高い次元でのきちんとやった上でのゆっくりやって失敗してよいということだと思いますが、必ずしもそれが伝わっていない状況がありますので、統率するという立場でもう少しきちんとこの5番までにミスは絶対にあってはならないということで、もう一度職員の皆さんに徹底をしていただきたいと思います。
○議長(伊藤祐司君) 副市長。
○副市長(鈴木孝美君) 市長が先ほど申された内容については、政策の根幹でございます。ただ、事務的な作業について、このようなことが起こることについては、市長も先ほど申されたように、職員同士のコミュニケーションが不十分であるというふうに私も感じております。
 したがいまして、機械に頼るのではなくて、一つずつ見直しをするという作業をこれからも徹底してやっていきたいというふうに思っております。
○議長(伊藤祐司君) 持ち時間がなくなりました。これをもって、さとうゆみ議員の個人質問を終結します。
 この際、暫時休憩いたします。再開は13時ちょうどといたします。