今日は、長久手市主催の男女共同参画講演会がありました。

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講師は、中京大学教授の風間孝先生。風間先生は男性として生まれ、
同性に恋愛感情を持つ男性同性愛者です。同性愛者が公共施設を
使うと混乱を招くからと使わせてもらえなくなったことから、東京都を
相手に裁判をし、勝利をした経験も持っています。

大学で学生に「性はいくつあるか?」と聞くと「男と女の2つ」と
答えるそうです。しかし、この2つに当てはまらない性のあり方が
たくさんあるというのが今日の風間先生のお話でした。

性的マイノリティについて考えるときに前提となるのがこの4つ。
1身体の性(生まれたときに生物学的にオスかメスか)
2心の性(本人が自認する性別)
3外見の性(見た目の男らしさ、女らしさ)
4好きになる性(恋愛、性的感情がどの性に向いているか)

例えばマツコデラックスさんは、身体は男性、心は男性、普段は
男性の格好(テレビはドレス)、好きになる性は男性、
また、はるな愛さんは、身体は男性、心は女性、外見は女性、
好きになる性は男性などと、性のあり方はさまざまであることが
分かります。

最近私も「LGBT」ということばを見聞きすることが多いですが
このような意味合いです。
Lレズビアン(同性に惹かれる女性)
Gゲイ(同性に惹かれる男性)
Bバイセクシュアル(両性に惹かれる人)
Tトランスジェンダー(生まれたときの性別と別の性で生きていくことを望む)

2013年の相模ゴムの調査によると恋愛対象は同性と答えた
男性は4.9%、女性は7.1%でした。
つまり、人口の約5%=20人に1人は同性に惹かれているということで、
決して少数とは言えない状況です。

日本では2004年から戸籍の性別変更が可能となり、
2004年から2013年までに4353人が性別を変更しました。
診断を受けて性別変更までたどり着く割合は約13%で、性別変更を
するためには、生殖能力をなくすための外科的手術をする必要があり、
数百万円の費用や身体への負担が大きいことも性別変更ができない理由
ということです。

性的マイノリティを取り巻く状況としていじめがあります。
教育現場では当事者の約7割がいじめの被害がありと答え、
学校に行くのが嫌になった、人を信じられなくなった、クラスで孤立した
という回答が多くなっています。性的マイノリティの人を笑ってもよいという
環境の中で育つと、自分を大切にする自己肯定感が持てなくなっていきます。
学校で偏見を取り除く教育が必要ですね。家庭でも多様な生き方を尊重する
考え方をしていきたいと思います。

続いて風間先生と常川裕紀さんのトークセッション。

常川裕紀さんは、現在大学生で、女性として生まれましたが
トランスジェンダーとして生活しています。中学時代に自分の性に違和感を
覚えはじめ、高校生のときに家庭裁判所に申し立てを行い名前を変更し、
男性のズボンの制服を着て過ごしていたそうです。

中学校で「良いお嫁さんになるために」という家庭科の授業が苦痛で
学校に行けなくなったこと、当初は父親がなかなか受け入れてくれなかったこと、
高校で多目的トイレを使う配慮をしてもらったことなど常川さんが直面してきた
ことを語ってくれました。
私が印象に残ったのは、アルバイト先にあえて性別を書かずに採用されて
いたが、最近マイナンバーのコピーを出すことになり、見た目と性別が違うことから
ヒヤヒヤしたというお話です。このような点からもマイナンバーは問題だと思います。

続いて、みんなでワークショップの時間。
グループに分かれて、「性的マイノリティの児童・生徒が学校で直面
する問題とその対応」と「性的マイノリティの同僚が職場で直面する
問題とその対応」について意見を出し合い、最後にまとめたことを発表しました。

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今回、性的マイノリティ(少数者)にスポットをあて、多様な生き方が
認められる社会について考えるきっかけをつくった長久手市役所を
私は高く評価します。