昨日に続き、尾張東部衛生組合議会の視察報告をアップします。これからの時代は、民間の能力を活用したPFI方式やDBO方式が自治体でどんどん導入されていく予感。DBOは資金調達を公共が担うことがPFIとの違いです。

平塚市環境事業センター視察報告

                   長久手市議会議員 さとうゆみ

平成26年11月7日(金)、神奈川県平塚市にある平塚市環境事業センターを視察した。ここは、平成25年に竣工したばかりの平塚市の施設で、平塚市、大磯町、二宮町から発生する可燃ごみの焼却を行っている。DOB方式(Design設計、Build施工、Operate運営)という新しい形態をとっている。設計から施工、運営まで行う事業者を市の選定委員会で選定し、選ばれた事業者と市が基本契約を締結して20年間運営してもらうのである。契約金額は以下のとおり。
○建設工事請負金額 113億9,887万5,600円
○運営業務委託金額 43億5,598万8,000円(20年間)
○焼却残渣資源化処理業務委託金額 41億9,407万5,000円(20年間)
○焼却残渣輸送業務委託金額 5億7,287万3,700万円(20年間)
合計205億218万2,300円
※DOB方式をとることによって20年間で30億円の人件費の削減ができるという。定期的なメンテナンスや修繕も含んだ金額となっているが、大地震などの特殊な事情で壊れたときは市が負担する。

現在、ごみ焼却施設はストーカ炉かガス化溶融炉が主流であるが、平塚市は特にどのような炉かを指定せずに公募を行った。結果、選定委員会で選ばれた事業者が提案していたのが流動床炉であったため、それを導入した。選定委員会では、価格が低く抑えられている価格点で評価が高くなり、えばら製作所グループが選ばれている。

運営はすべて「ひらつかEサービス」(えばらグループが出資して設立した会社)が行っているが、これまで市直営で運営してきたので、DOB方式にしてからも市の条例に従って業務を行ってもらっている。
現在の職員は、平塚市の職員が4人、Eサービスの職員が44人となっている。処理手数料(一般廃棄物10キロにつき100円、事業系10キロにつき220円)の収入については、Eサービスが収入の事務を行うが、お金は市に入るようになっている。売電収入はEサービスに入るようになっており、売電収入を差し引いた金額を市がEサービスに運営委託料として支払っている。運営業務委託料は平成25年度下半期で6,991万1,568円、売電収入は平成25年度下半期で1億6,500万円ほどであった。

平塚市環境事業センターでは、埋立処分ゼロを実現している。焼却残渣は外部の事業者に運び、処理をしている。それが上記の焼却残渣資源化処理業務委託と焼却残渣輸送業務委託である。焼却残渣から鉄、アルミを取り除き、残りはすべて溶融処理してスラグにしている。スラグはブロックになり、護岸工事などに使用され、足りないほどの需要があるという。

昨年度訪れた大阪府枚方市の施設では、焼却炉に併設された溶融炉でスラグにしても需要がなく、ほぼ埋め立てているということであったが、スラグの作り方によっては足りないほどの需要があることが分かった。DOB方式という新たな形態も勉強になった。晴丘センター建替えの際の参考にしたい。