ちょっと時間があいてしまいましたが、7月に行った視察報告をアップします! 


小平霊園視察報告



                                  さとう ゆみ


 2013年7月29日()くらし建設委員会の視察で東京都立小平霊園を訪れた。

長久手市は昨年度墓園用地として1.2ヘクタールの土地を約12億円(市債)で購入し、整備を進めるところである。



小平霊園は、東村山市、東久留米市、小平市の3市にまたがっている65ヘクタールの広大な墓地である。昭和23年にでき、松林はできる限り当時のまま生かしたつくりにしてある。墓園の使用許可の発行、取り消しは東京都が行い、それ以外の日常の管理運営(名義変更や取り消しに至るまでの調査なども)は、指定管理者制度で財団法人東京公園協会が行っている。財団法人東京公園協会の指定管理期間は5年で、平成18年から2回目である。指定管理者は、何者かが参加する入札で決めるため、5年ごとに指定管理者が変わる可能性もある。 東京都営墓地は、全部で8園あり、多磨霊園、小平霊園、八王子霊園、八柱霊園、青山霊園、谷中霊園、染井霊園、雑司ケ谷霊園である。豊島区内にある2(染井霊園、雑司ケ谷霊園)では、現在新たな貸し付けを行っていない。



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↑小平霊園の平面区画
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↑広大な面積(航空写真)


 小平霊園は、新たに樹林型合葬埋蔵施設(以下樹林型墓地)を始めたことで注目を集めている。昨年度全500の募集に対して8,169件の応募があり、倍率は16.3倍であった。特に生前申込み遺骨1体が、募集30に対し959件の応募と非常に倍率が高かった。樹林型墓地とは大きな穴に遺骨を袋に入れて埋葬し、砂をかけてまた次の遺骨を埋葬していく合葬である。


また、小平霊園では新たに樹木型の墓地を始める。樹林型墓地が合葬であることに対し、樹木型墓地は個別埋葬するタイプである。来年度500600件を募集することになると考えられるが、生前受付をするかなども含め来年5月に東京都が報道発表する予定である。



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↑樹林型墓地

小平霊園には、合葬式墓地が2基ある。合葬式墓地は、部屋のスチール棚の上に遺骨が20年間保存され、その後は合祀室に入れられるというものである。年間管理料が途中で支払われない場合は、合祀室ではなく別の無縁墓へ行くことになる。従来型の平面区画の墓の所有者は、合葬式への施設変更をすることができ、平成257月には32件の申し込みがあった。小平霊園以外の都立霊園からこの合葬式へ変更することもできる。


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↑合葬式墓地
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↑合葬式墓地はスチールの棚に遺骨を置いて保管する


小平霊園の平面区画は、1.75㎡から5.45㎡の区画である(別途年間管理料が必要)。区画1㎡の単価は807,000円である。一般墓地はすべて貸し付けが終了しているが、更地になったものは再貸付している。上記に記載した樹林型墓地、樹木型墓地、合葬式墓地以外にも、小平霊園には壁墓地、芝生墓地がある。小平霊園にはないが、多磨霊園の期間30年間の納骨堂(みたま堂)も人気があるという。


東京方面では平面区画の墓地に木を植える習慣があり、草や木が生い茂りうっそうとしている区画が多くあった。区画内は、指定管理者の管理外であるため、親族などが頻繁に訪れて手入れをする必要がある。また、樹林型墓地以外は毎年管理料を納めなければ維持することができない。その点から、毎年の管理料がいらず、個別に手入れをする必要がない樹林型墓地の人気が高いことが理解できた。芝生墓地は、芝にかなり水をまかないと枯れてしまうので、日々の水まきも大変であり、所有者から枯れている部分の植え替えの要望も多いということである。気になったことは、分譲費や管理料などによる収入より支出の方がずいぶん上回っており、不足分は税金を投入していることである。東京都は、「都の事業として都民へ墓所を供給するための行政財産の使用許可であり、利用者から用地購入費や整備を回収するという性質ではないと認識している」としている。長久手市は、用地購入費12億円と12億円の借入れに対する利息、整備費に至るまで、最終的には墓園の利用者から全額回収するとしているが、果たして可能であろうか。

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