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2010年収穫 (その2)

さて4月6日に収穫したピノノワールの仕込みについて書きます。

この日はビオディナミカレンダー上、実の日に相当。


この日収穫のピノノワールはAbel(エイブル)クローンと呼ばれるもので、NZオリジナル。

昔、DRCの畑から誰かがこそっと持ち帰った苗木の末裔といわれている。

この辺、定かではないが、僕はこのクローンが好きだ。ブドウの成熟(糖と酸)と果皮の熟度のバランスがうまくパラレルに進んでくれ、また複雑味にも富んでいる。


去年と同様、エイブルは全房で発酵させることにした。

つまり機械にかけて除梗せず、ブドウをそのまま発酵桶に放り込む。

酸化を防ぐため、あらかじめ発酵桶にはCO2ガスを充満させておく。


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こんな感じです。さらにCO2ガスを入れ、後は蓋をして密閉する。

いわゆるセミ・カーボニック・マセレーションの手法。これにより柔らかなタンニンとブドウの旨みをうまく抽出してやる。


ブドウの温度は10度程度。日蔭の気温は15度を超えないため、発酵桶内の温度が急激に上がることはない。このまま涼しい状態で1週間ほど気長に発酵が始まるのを待ってやる。


亜硫酸は無添加。ブドウの状態はクリーンで健全。酸化はCO2ガスにより防止可能。また、こちらも補酸なし。


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8日目。これまで3回ほど蓋をあけて酸化度合いのチェック(揮発酸が発生していないかどうか)したが、問題なし。この日発酵桶内の温度が17度まで上がっており発酵のスタートが確認できた。


で、この段階(発酵のスタートが確認できた段階)で、桶の中に入り、ブドウを足で踏み潰す作業を行う。ブドウをつぶすことにより、その後の順調な発酵が促される。


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(発酵桶に入る家内の恭子)


人間の足の裏は柔らかい。人間の体重は重くはない。よって極めてやさしい破砕作業ができる。無用に種をつぶしてしまう懸念もない。

私もパンツ姿で桶に入って、2人で作業開始。

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桶の中には1.3トンのブドウ。ただ足踏みしているだけではダメ。かなり足に力を入れて踏み込まないと、ブドウはつぶれない。

また、発酵が始まったとはいえまだ17度。冷たい。

この作業、結構大変なのである。

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破砕というより、足の裏と指でブドウの粒を果梗から外してやり、そのまま粒が自然につぶれるイメージ。


結構一生懸命。


カーボニック・マセレーションの効果により、破砕すると同時に鮮やかな色素が果皮から流れ出す。足を使っていることもあり、非常に柔らかい抽出が可能となる。


30分後、大体完了。腰までジュースに浸かっているでしょ。ジュースが増えてくるとつぶすのが難しくなる。
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だが、できるだけブドウはこの段階で破砕してしまった方がよい。全房のまま残ってしまうと、発酵が終わりきらない可能性や汚い発酵になるリスクがあるから。この点は、我々の研修先でジャン=イブ・ビゾーもフィリップ・パカレも強調していた。


この作業後、発酵は8日くらいで終わった。今年は早かった。

発酵中、ピジャージュは一日2回。果帽をジュースの中にゆっくり押し戻すような感じで、決して激しくやらない。


発酵終了後、4日ほどしてから、プレス。このタイミングは毎朝テイスティングして決める。


今年も何事もなく無事発酵が終了してくれた。ワインは非常にクリーン。揮発酸値も去年よりずいぶん低く仕上がった。
めでたしである。