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2010年収穫 (その3)

また1か月ほど間があいてしまった。すみません。7月下旬から2009年ワインの瓶詰等で、とても忙しかったんです。これについてはまた書きます。


で、2010年の収穫の話に戻ります。今日はリースリングの仕込みについて。


余談ですが、個人的に白ワイン造りのほうが赤ワインより難しいと感じている。

まず、低温で自然発酵をスタートさせ、その後も20度を超えない程度の、比較的低温を維持しながら発酵を安定的に進めるのが難しいという点。これには適切な温度管理ができる設備が必要だが、ワインを造っているマウント・エドワードのワイナリーには温度管理機能があまりない。

もう一点は、ワイン中に赤ワインのようにフェノールが豊富に含まれるわけではないため、酸化に弱いということ。一方でマストを空気にうまく触れさせてやることは自然発酵には必須のため、この辺のバランスが難しいのだ。


さて、収穫である。Northburn Station Vineyardにて4月16日の実の日に収穫。ボトリティス(灰色カビ病)やウドンコ病もなく、健全なビオディナミのブドウが収穫できた。大変満足。収量は5t/Haくらい。糖度は22.4Brix、pHは3.05と酸度は高い。

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自分の車でワイナリーまで運ぶ。栽培責任者のシェーンが荷積みを手伝ってくれた。


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 (オーナーのトム・ピックニー氏)        (栽培責任者のシェーン)

収穫は朝一に終えたため、まだブドウの温度は低い。すぐにワイナリーに帰り、プレスの準備にかかる。ブドウは健全であり、病気もなし。よって亜硫酸は添加しない。


ブドウは全房のままプレスに入れ(破砕はしない)、5時間かけてゆっくり圧搾した。

ゆっくり圧搾した場合、自然のフィルター作用が働き、非常にきれいなジュースが得られる。ペクチナーゼなどの酵素の類は添加せず、プレス後のジュースにもゼラチンなどの清涼剤を添加しない。


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圧搾後、ジュースをタンクに移し、一晩低温で安置し、不純物をタンクの底に沈殿させる(デブルバージュ)。翌日、きれいな上澄みだけを別のタンクに移し、自然発酵の開始を待つ。

タンクの底に溜まっていた澱は普通捨てるが、味わいがよかったため、本当に汚い部分だけすて、大部分をジュースに戻してやった。これらは自然発酵を円滑に進めるための酵母の栄養になる。自然発酵には適度な濁度が必要である点、以前も触れたと思います。

醸造家の中にはこの時点で培養酵母を添加し、イーストフードと称する発酵補助製品なるものを添加するケースが多いが、僕はそういうものの必要性を感じない。


発酵が始まって数日後、やや還元的になっているため、アエレーション(空気につれさせてやること)を行ったくらいで、発酵は順調に進んでくれた。下の写真はアエレーションをしたときの様子。

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収穫からほぼ4カ月半経過した。現状はというと。。。。


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まだ発酵が続いている。熱を逃がさないようバブルで樽(オークの古樽が1つ、ステンレススチールが2つ)を覆い、温度が一定に保てるようタイマーセットをしたヒーターを入れてある。この部屋の壁には保温材が使われていないため、冬の間は室温が0度近くまで下がってしまう。。。。ううっ。


現状まで亜硫酸を添加していないため、そのうちマロが始まるだろうが、もう少しドライにしたいところ。揮発酸が上がらなよう、祈るばかり。。。