劇団民芸の女優奈良岡朋子さんの訃報に接し、とても残念です。心よりご冥福を祈ります。
生前以下のコメント(記事からの引用です)を書き残していたようです。
「新たな旅が始まりました。旅好きの私のことです、未知の世界への旅立ちは何やら心が弾みます。向こうへ着いたらすぐに宇野(重吉)さんを訪ねます。もう一度あの厳しい演出を受けたいと長い間願ってきました。でもね、宇野さん、私はあなたよりずっと長く生きて経験を積んできましたからね、昔のデコ(奈良岡さんの愛称)じゃないですよ。『デコ、お前ちっとましになったな』と言われたくてこれまで頑張ってきたんですから。腕が鳴ります。杉村(春子)先生ともう一度同じ舞台を踏みたかった。どんな役でもいいからご一緒したい。ワクワクします。両親に挨拶するのは二、三本舞台をやって少し落ち着いてからにします。それからは裕ちゃん(石原裕次郎)や和枝さん(美空ひばり)と思いっきり遊びます。これが別れではないですよ。いつかはまたお会いできますからね。それでは一足お先に失礼します。皆さまはどうぞごゆっくり・・・」。
奈良岡さんといえは、朝ドラ「おしん」のナレーターをしていたのを思い出します。おしんが奉公に村を出るシーンの語りが思い出されます。
また、亡き佐田啓二さんと共演したNHKドラマ「虹の設計」で奈良岡さんの落ち着いた演技が今も心に残っています。すごく知的で綺麗な方でした。そのドラマが継続中、主役佐田啓二さんがロケ地から東京へ帰る途中自動車事故で亡くなるショッキングな事件も忘れられません。美男美女の共演を楽しみにしていたので、当時とても残念な思いをしたものでした。
重ねてご冥福を祈ります。