大宮妄想小説、BLです。

ご理解のある方のみ、どうぞ。

苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。







第一話はこちら↓
★追記★

腐女子のみなさま…悲報です|д;)チラッ

素敵な大宮ちゃんがたくさん隠れてる
あのフォレスト…サービス終了だそうです(ノД`)
データも全て消去されるそうで…(´Д⊂グスン

お気に入りのお部屋がある方は
今の内に読みに行った方がいいかもです( ;∀;)

★追記終わり★














和也side



その日。

智の映画が
公開されるって聞いて。



行かないって
選択肢は。

なかった。







「ねぇ…
今度の土曜だけどさ。」

「ぇ…なんすか、」

「一日お休み欲しいんだけど…だめ?」

「あぇ…一日っすか?」








智にとって
初主演の。

大事な
大事な作品。



ちゃんと
チケット買って。

誰よりも一番に。

スクリーンに映る智の姿を
目にしたくて。



珍しくマネージャーに
ワガママ言って。

なんとか
空けてもらった一日。







「あ……」

「…………なに///」

「もしかして…
おーのさんの映画、観に行くんすか?」

「…………智には内緒ね///」

「いいっすねぇ、愛されてて。」

「ちょっとふーま、うるさい///」

「でも…いいんすか?」

「いいって…なにが///」

「あれ…確か
恋愛モノじゃなかったでしたっけ。」

「……まぁそこは、ね。
ちゃんと覚悟して観れば大丈夫じゃない?」

「ま、おーのさんに限って
浮気とかなんとか心配いりませんからねー。」

「…………ま、ね///」

「あれ、否定しないんだ(笑)」

「お前ほんとうるさい///」






新米マネージャーのくせに///

しかも
俺より年下のくせに///



こいつほんとにうるさい…///
って。

喋りながら
いじっていたゲームに。

再び目を落とす。







「でもなんか…」

「………なによ、」

「あれ、すごいって聞きましたけど。
まじで観に行っていいんすか?」

「………………すごいって?」

「いや…俺も噂なんで。
ちゃんとしたことは知らないっすけど。」

「……なによ、噂って。」

「あれ、おーのさんとかから
映画の話とか聞かないんすか?」

「………………や、全然。
聞いたら色々考えちゃうかもしんないから。」













……ほんとは。





一度だけ。

聞かれたことがある。












「………………ね、和。」

「んん……?なに?」

「今度のやつ…
台本貰ったけど、さ。」

「…………………………」

「……………………読む?」

「…………………………」

「…………………………」

「………………んん、いい。」








きっと。

智なりの。

俺に対する
配慮だったんだと思う。




普通なら
台本読む?…なんて。

そんなこと聞かないし。




一応。

多少の変更が
あるにしたって。

ストーリーを
把握しておけば。

もっと落ち着いて…
観れるかもしれないし。



気にならないと言ったら
嘘になるけど。



でも…

そんなの読んだら。

一人で勝手に
余計なこと考えちゃいそうで。

止めた。














すごい、って。

なんなのか。










内容が、なのか。

演技が、なのか。










そうやって。

ふーまに
詰め寄りたくなったけど。



変なこと聞いたら
観れなくなりそうで。

止めた。











だって。

一応。



どんな
作品になってたって。



智が頑張った作品。

観たい。




頑張ったねって
言いたい。

俺の智すごいでしょって
自慢したい。












どんどん
魅力を開花させていく。

あなたのこと。



誰より。

一番。

応援したい。












だから。

なんにも
聞かないまま。

当日
こっそり訪れた。

最寄りの映画館。




朝から公開日で
番組生出演があったりで。

ドタバタと出ていった
智を見送ってから。



変装代わりの
キャップを被って。

気配を消して。

着いた劇場の
チケット売り場で。

普通に
列に並んで。

チケットを買った。







「あ〜やば!
めっちゃ緊張してきたんだけど!」

「ってかさぁ
ポスターの時点でもうやばくない!?」

「惚れるわぁ。
大野くんまじこっこいいよね。」








智のファンの子達なんだろう。

土曜日だからか
高校生くらいの若い子達も多くて。




瞬く間に
満席になっていく劇場に。

智の人気っぷりを
改めて実感する。





すごいね、智。



あなた…

こんなに
たくさんの人達に。

楽しみに
してもらってたのよ。



やっぱり。

この仕事
引き受けた甲斐あったよね。





嬉しくて。

誇らしくて。



一番後ろの。

隅の席。




誰にも
気付かれないような場所で。

一人座って
始まりを待つ。





やがて鳴り響いた
大きなブザー音と共に。

館内を満たした暗闇と
映像が映し出されたスクリーンに。

手にしていた
スマホの電源を落として。

前を見た。

















次回は明日AM6:17です♪