大宮妄想小説、BLです。

ご理解のある方のみ、どうぞ。

苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。






ニノちゃんハピバ記念物語です♪


第一話はこちら↓

















和也side



あと数分で
終わりを告げる。



一年に一度の。

誕生日の夜。






"遅くなってごめん!
今着いたから、もうすぐ帰ると思うよ。"







ピロン…と鳴った
メッセージを知らせる通知音。

タップして開くと。

夜中のテンションとは思えない
翔ちゃんの元気なLINEに。

思わず
笑みが零れた。






"絶対。
今日中に帰るから。"






仕事なら
しょうがないんだから。

別にそんな気にしなくていい…って
言うのに。

何度も
そう繰り返してた智。





寂しくないって言ったら
ウソだし。

そりゃ…
もちろん。

一緒にいられたら
嬉しいけど。



でも…
ただこうして。

智と繋がれて
智と話せる…っていう。

この事実だけで。



言葉を送ることすら
叶わなかった。

半年前までの
あの日々を想っては。



今はもう…

ただそれだけで
幸せで。



メッセージを
送って。

返事が
返ってくる。



たった
それだけで。

おかしくなるくらい
顔がニヤけてる自分がいた。











"翔さんも疲れてるのにごめん!
ワガママ聞いてくれてありがとう。
帰りの運転、気をつけてね。"









ありがとう、の
スタンプをくっつけて。

送った返事にすぐに届いた
ぐっ!…のスタンプを確認して。



きっと。

そうすぐ
帰ってくる。

最愛の人を
リビングで待つ。







……あと
数分で変わる。

今日の日付。






今頃。
急ぎ足で。

あの猫背な背中を
まぁるく丸めて。

こっちに
向かってるんだろうか。









大好きな背中を
思い浮かべただけで。

ふんふん♪…と
無意識に零れる鼻歌と。

リズムに合わせて
パラパラと動く足指。








"別に今日じゃなくてもいい"…って
言ったくせに。

こうして
会えることになった途端。

一気に特別感が増す
自分の誕生日。



ドキドキしてくる
胸の鼓動に。

子どもか…なんて。

自分に
つっこんで。



ガチャ…と聞こえた
玄関のドアが開く音に。

パブロフの犬みたいに。

弾かれたように
立ち上がって。

猛ダッシュで。

智のいる玄関へと
向かった。







「…おかえり、」

「…ハァ…ハァ…コホ……」

「え、なんで
そんな息切れてるの(笑)」

「…ハァ…エレベーター乗ろうと思ったら…
ちょうど上に上がっちゃって…」

「………………………」

「降りてくるの待てんくて…
階段…駆け上がってきた……」

「………………はぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」

「……ハァ……まじ……つっかれた……」

「あったりまえでしょ!?
ここ何階だと思ってんの!?!?!?」

「……ハァ……だって……」

「っていうかさ!いくら待つったって!
ちょっと待てば来るんだから
乗ってくればいいでしょ!」

「だって……時間ねぇんだから……
気ぃ急くじゃん、」

「だからって……もう……笑」




嬉しいんだか。

呆れるんだか。




込み上げてくる笑いに
堪えきれず。

くっくっと肩を揺らして
笑う俺に。

汗だくの智が
む…っと唇を尖らせる。





「んだよぉ…
しょうがねぇじゃん…」

「ふっ(笑)…だって…(笑)
ごめんって(笑)」

「…………む、」

「もう…悪かったから(笑)
とりあえず入って落ち着いて、」「それより、」

「いま……何分?」

「ん……あ、59分。」

「うわ、やべ。」





あと一分で。

0時を指そうとしてる
時計の針を見て。

慌てた様子の
智が。



持っていたバッグの中に
手を突っ込んで。

ゆっくり。
大事そうに。

綺麗にラッピングされた袋を
取り出す。






「はい…これ。」

「……………………これ、」

「ん……誕生日プレゼント。」

「………………………………」

「よかった…間に合った、」

「………へ、」

「………ん?」

「もしかして…
急いでたの、って。」

「…………………………」

「これ…渡すため?」














次回は明日AM6:17です♪
明日が最終話となります(*´艸`*)♡♡