一昨日より、
始めているこちら……
ただただ自分が楽しんでいる……ってだけの、
好きなように辻褄を合わせ、
事実と事実の間を埋めた………
そんな妄想のお話です……(笑)。
ご興味のない方、
大変申し訳ありません………(;^_^A
ご理解いだける方のみ、
お読み下さるようお願い申し上げます……
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<未来は見えてる?>
最初に、
『特急・投球コンサート 10月9日東京ドームに大集合』
なんていうコンサートの話を聞いた時から、
正直なところ、
胸がざわざわしてた……
お披露目コンサート…………って……
それ、何なの?
イヤだよ。
普通に考えたら、分かるよね?
デビューしたかった訳じゃない俺が、
デビューを目指している人達の前で、
「今度、デビューすることになった嵐でーす!」
なんて言って立つのは……
笑える訳ないよ。
これを平気でできる奴らなんて……いんの?
そんな奴がいたら、
きっと、頭、おかしいんだよ。
って……
そんな気持ちが……出てたのか……
当日のリハに身が入らなくて───
当然、
スタッフにも注意されて………
何か、
虚しくなってきた………
せめてさ。
せめてデビューしなきゃならないなら。
誰にも気付かれないように、とかさ。
ひっそり、こっそりやらせてよ………
そんな風に思いながら、
スタッフの言葉を、
右から左に聞いてたら──
(だって、何がダメなのかなんて分かってるもん)
その態度も気に入らなかったのか、
執拗に名指しで注意された。
(ま……それが彼の仕事だってのも分かってる)
自分のせいでリハが押すのも、
みんなの迷惑になるから、ほんとイヤで……
もう、
この場に俺がいなきゃよくない……?
ね?
それですべて丸く収まるくない?
幸い、
ほら、
まだデビュー前な訳だしさ………
とか。
いろんなこと……考えてたら───
休憩に入り、
俺に近付いて来たまぁくんが、
通りすがりに、
「さーいしょーは……グーっ!」
って、
言いながら、
右手を大きく振りかぶってグーを出したから、
意味分からないまま、
条件反射で俺も左手をちょっと持ち上げて……
グーを出した。
「じゃんけんほいっ!」
急にテンポを上げて言うから、
慌ててグーを俺が出すと…………
「あーーー!負けたぁーーー!」
出したチョキで頭を抱えながら、
去ってく、まぁくん…………
何、あれ。
「相葉ちゃん、負け負けだね」
「負け負けだよー…………大野くん、勝負!」
と、
歩きながら、
大ちゃんともじゃんけんをし出して、
また、頭を抱えてる………
弱過ぎんだろ………
って、見てたら。
「ニノ、ゲームの続きしよ。待ってるよー」
大ちゃんが振り返ってくにゃんと笑った。
……何なの、いったい……
2人が歩いていくのを、暫く見ていると……
視界に入った、
タッキーと潤くんが何かを話している姿に、
余計に………気持ちが塞いじゃって………
だって。
迷惑かけてるの、絶対、俺なんだもん……
「ニノ!」
タオルで汗を拭きながら、
翔くんが、
俺に向かってペットボトルを投げてくれて………
それを、
受け取ろうとした、その瞬間。
さっきのスタッフに名前を呼ばれて、
ビクッとして、
タイミングがズレて、落とした………
足元からペットボトルが、
コロコロ転がっていくのを目の端に見ていると、
遠くで、
風間くんが拾ったのが見えた。
「二宮!」
何を言われるのかなんて、分かってる。
「おまえは、今回、デビューを逃した奴らの分も背負ってるんだろーが」
そう叫びながら近付いて来て………
やめてくれ………と、心で思う。
分かってる。
分かってるけど。
でも、
俺だって、
背負いたくて背負ってんじゃねーよ!
「……あ、ちょっと待て!どこ行くんだ、こら!二宮!」
声を背中に聞きながら、
無意識のうちに走り出していた───
どこに行く?
帰る?
どうやって?
東京ドームからどうやったら家に帰れんの?
道も分かんない……
何それ………
もう………俺、ダメダメじゃん……
「………ニノ待って!」
俺の後ろから、
翔くんの声が聞こえてきて………
慌てて、
近くのトイレに逃げ込んだ。
個室に入って鍵をかけると、
追いついた翔くんが、
外からそっと声を掛けてくる。
「ニノ………?」
「………」
「ニノ、聞いて。俺も、さぁ……俺も、ほんとのところ、みんなの前でお披露目なんてやりたかねーって、思ってるよ」
「………」
「大野くんだって、さ………M.A.の仲間、いるじゃん。その前で……っていうの………すごく、辛いと思うんだ……」
ふと、
大ちゃんの最近の様子を思い出す……
「でも、俺ら5人じゃん…?もし、何かあっても……ま、ないに越したことはないけどさ………5人、一緒だよ……?ニノはさ、1人じゃないから………」
………分かってる。
1人じゃない、ってこと。
………分かってる。
さっきのあれも、
まぁくんが、
俺のこと元気づけようとしてたんだってのも……
………分かってる。
潤くんが、
タッキーに大袈裟にしないで……と、
頼んでくれてんのも……
だから、
だから、
余計に、自分がヤなんだよ……
「ゴンドラ………すごくね?(笑)」
翔くんが笑う。
「あれ乗って登場すんだぜ。しかも、さ。知ってる?最初はさ、フライングで登場しよう……なんて話もあったみたいで……」
知ってる……
「松本が、それは回避したらしいけど……(笑)」
それだけは、絶対ヤだ………
「高所恐怖症の俺に、どうしろっつーんだ。お披露目コンサートで顔面蒼白よ?(笑)」
翔くんはそっちもか………(笑)。
俺が、
ちょっと笑うと───
「……ね?ニノ………出といでよ……一緒に、やろう?嵐」
嵐……
「最近、さ。ずっとこの5人でいるじゃん………ニノはさ、楽しくない?(笑)」
俺の好きな人達と一緒に、5人でやる、嵐……
「俺、さ。結構、この5人でいんの、楽しいんだよね……」
この4週間程の、
目まぐるしい日々を思い出す───
「………ゴン、ドラに……さ……」
「ん?」
俺が話し出すと、
優しい声が返ってくる。
「───ゴンドラに乗ったら…………」
「うん」
「………俺らの未来………見えたりするかな……?」
そんなことないのを分ってて……
でも、
翔くんなら、
何か言ってくれんじゃないか………
そんなことを思って、俺が聞くと───
「………どうだろうねぇ(笑)」
ちょっと笑った翔くん。
「………でも、少なくとも、さ………ニノを応援してくれるファンのことは、よく見えんじゃない?」
そう言われて……
ふと、
上から見る、
会場の………
うちわが揺れる、
そんな景色が見える気がして────
俺は、
そっと鍵を開けた……
ゆっくりと視線を上げると……
そこに。
笑顔でサムズアップする、翔くんが待っていた……