2009年、夏───
ベストアルバム、
『All the BEST! 1999-2009』が、
発売される頃のオリスタ。
5人の言葉が、嵐を語る───
語られているのは、AMNOSの順。
5人の言葉を、
少しだけ載せたいと思います───
(5人の言葉はそのままですが………インタビュアーさんの言葉は、いくつか合体させて編集しているものがあります)
相葉雅紀
今の自分のキャラみたいなものが
少しずつ出せるようになってきた
でもこれでいいとは思ってない
──10年前、デビューした頃の
自分を振り返るとどんな印象?
🟢何をどうすればいいのかあまり分かってない状況の中で、とにかく必死でしたね。
🟢最初の頃はカメラの前で何を話せばいいのか、どうすればいいのかも分かってなかったし……って、今でもあんまり分かってないんだけど(笑)。
🟢いろんな番組に出させていただく中で、今の自分のキャラみたいなものが、少しずつ出せるようになってきた気はします。
🟢でもこれでいいとは思ってない。
🟢自分のキャラクターが何かって答えを出すのは難しいことだから。
──今の相葉ちゃんのキャラは、
自然に引き出されてきたもの?
🟢キャラってある意味コントロールできるものというか、あくまで表現のひとつだから。
🟢『Aの嵐』で自由にやらせてもらったり、
『天才!志村どうぶつ園』で体を張ってロケしたり、それぞれの機会をいただいた中で出来たもの。
🟢なので、別の機会を与えてもらっていればまた違うものが出てきたのかもしれないし、これからもどうなるかは分からない。
🟢どうやったら、この”相葉雅紀”を表現できるか、どうしたらここをもっと厚くしていけるか。
🟢今後の作業はそこだなって思ってます。
──”相葉ちゃん”っていう
キャラがあればこそ
伝えられるものがある気がします。
🟢それなら嬉しいですけどね。
🟢笑ってばかりいられないこともあるけど、そういう中で精一杯笑っていきたしい、笑っていられれば幸せ。
──嵐の10年、自分達でも何が出てくるか
予測がつかない感じだった?
🟢毎日違うことをやって、その一瞬、一瞬をやってきたって感じかな。
🟢でもそれは今も変わってなくて常に刺激的だし、だからこそ僕自身は10年経っても嵐らしさが分からないし、分からなくてもいいと思ってる。
🟢これからもとにかく何でも一生懸命やるっていうのが5人のスタンスだし、そんな嵐は今の僕のすべてだからね。
Q【ジャニーズ事務所に
入りたての頃の自分にひと言】
🟢「楽しもう!」って。
相葉ちゃんの、
強い芯の部分や大人な目線、
普段口にはしないものを表現した時に感じる、
深い言葉だったり───
松本潤
今が”嵐”だとしたら
デビュー当時は
”スコール”だったけどね(笑)
──嵐として悩んだ時期はある?
🟣それは、なくはないよ。
でも今、こうしてやってるからね。
それが、すべてなんじゃないかな。
🟣多少なりとも悩んだとしても、
この5人でやってきたわけだし、
だからこそ、
5人でいると年々楽しくなってきてるしね(笑)
🟣やっぱり、苦楽を共にしてきたから、っていうのはあるんじゃない?
🟣俺が印象に残っているのは、
02年の『ARASHI SUMMER 2002 ”HERE WE GO!”』ツアーの時に話し合ったことかな。
🟣それ以外でも、昔から自分達の活動については、話し合ってたけど。
──誰かが号令をかけるの?
🟣うん。最初は誰かが「話そうよ」って言わないと集まらなかった。
🟣俺と翔くんが先に少し話してて、俺がライブ以外で直接「みんな集まってよ」っていうことはないから、大体、翔くんが声掛けてたな。
🟣結果的にそういう時間が
その時期にどう活きたかは分からないけど、
話していたことが”今に繋がってるのかな”とは思う。
🟣それぞれの役割はケースバイケースで5人がいる場所でお題を出された時に、それぞれがどう動くかっていうね。
🟣基本的なフォーメーションをがっちり固めてない。
🟣そういう柔軟なところがいいんじゃない?
🟣その柔軟性も、どの仕事でっていうんじゃなくて、徐々にそうなっていったんだよね。
──役者としての松潤、特に
『花より男子』から嵐に興味を持った
という声も多く寄せられてましたが。
🟣俺がよく聞くのは、『花男』で興味を持って嵐のコンサートに来たけど、「大野くんを好きになった」「相葉くんの笑顔がよかった」っていう(笑)
──それはアリですか?(笑)
🟣いいんじゃない?(笑)松本潤が演じているキャラクターとして好きになったりするんだろうけど、俺とそのキャラクターは違うからね。
🟣だから俺個人を観た時に、他のメンバーにいくっていうのは……まぁ、よくないな(笑)。
🟣でも、嵐を好きになってもらえたってことは、結果としていいのかな?
── 一度、嵐に興味を持ったら、
そこから出ない人が多いわけで、
だからこそ、
国立競技場まで会場が大きくなって……
今は、(通り雨じゃなく)名実ともに、
”嵐”なんじゃないでしょうか?
🟣うん、まぁ、”嵐”って言っていいんじゃないかな。
🟣今が嵐だったらデビュー当時は”スコール”みたいなもんだったけどね(笑)。
🟣いつか大きな場所でやりたいって考えたことはあったけど、10年後、それができてるグループになってるとは思ってなかった。
🟣それができるようになってるっていうのは、やっぱり成長したんだなぁと思います。
Q【ジャニーズ事務所に
入りたての頃の自分にひと言】
🟣がんばれ!(笑)。
🟣最初はダンスレッスンに参加するところから始まったんだけど、楽しかったね。
🟣「今日は初めてだし、ここから先はやらなくていいよ」
って言われたんだけど、楽しかったから残ってやってたな。
🟣あそこで帰っていたら、今、ここにはいなかったかもしれない。
🟣何となく、そんな気がします。
潤くんの、
心は熱くても物事を見つめる目は冷静で、
それが故に、
柔らかい温かさが、
滲み出ているところだったり───
二宮和也
どんな仕事の現場に行っても
僕は嵐の一員としての自分
でしかないですから
──10年一区切り、と言いますが、
嵐の10年を振り返ってみてどう?
🟡いや、実はそれほどの実感がないんですよ。
🟡これまでも、ほとんど考えたことなかったなぁ。
🟡本当に気付いたら10年って感じ。
🟡まさか自分がドームや国立競技場でコンサートできるようになるなんて思ってもみなかったし。
🟡自分達が10年間にやったことは、デビュー当時からだと想像してもいなかったことばかり。
──デビュー当時から二宮くんは、
「やっぱり嵐がいい」って言ってるけど、
嵐として以外にも
活動の幅は広くなったけど、
嵐の一員である意識は10年ブレてないね。
🟡そうですね。
どんな仕事の現場に行っても、
僕は嵐の一員としての自分でしかないですから。
🟡もっともっと根底にあるのは、
歌は勿論、ドラマでも映画でも舞台でも何でも、僕らが歩いている道は、先輩達が築いてくれた道だっていうこと。
🟡僕らはそれを汚さないできちんと歩いて、後輩に引き継いでいくっていうことなんだって思ってるんですよ。
🟡自分達の代で、その道を汚すことだけはしたくないんですよね。
──舞台だと、今は『見知らぬ乗客』で
大御所の皆さんと共演中だけど、
いつも不安とかないんですね。
🟡ないですね。不安を持って演技なんてしたら、観に来てくれる人達に失礼じゃないですか。
🟡デビューの時から、そういう不安は持たないようにしています。
🟡それに、本当に僕も嵐も、一緒に仕事をする人達に恵まれているなと思っているので。
──バラエティ進出は、
嵐にとって大きなステップだった?
🟡そう。バラエティには台本がないし、リハーサルもない。
🟡その中で自分の役割を果たしていくっていう一発勝負は他の仕事にはない魅力ですよ。
🟡僕は他のメンバーがやっちゃったことを片付ける役なんで、そこを即興でやるのが楽しい。
🟡バラエティなら、何本でもやりたいって思いますよ。
──バラエティを始めてから、
ファン以外の人も、嵐の仲の良さを
知るようになったと思いますよ。
🟡それは本当にありがたいです。
🟡『仲が悪い』って言われるグループはないだろうけど、『仲が良い』って言われるのもないでしょ?
🟡それって嵐のカラーのひとつだと思うし、助けられている部分もありますね。
Q【今までの活動での自分なりの
ターニングポイントを押してえ下さい】
🟡嵐の一員になったこと。
🟡嵐のメンバーと出会えたことです。
ニノの心を埋める、
あの運命の日から、
10年先も20年先も30年先も……
何年先だって変わらない……
そんな愛を感じさせるところだったり───
大野智
レコーディングして、
5人の声になったら
もっと面白くなる
──5人で歌うことの面白さを発見したのは、
いつ頃ですか?
🔵曲ってさ、最初、仮歌で来るの。
1人の人が歌って。
🔵"おっ、いい曲だな"とは思うけど、嵐が歌うと、その一段上があるって感じなのね。
🔵レコーディングして、5人の声になったら、もっと面白くなる。
🔵いつだったか、仮歌を聴いた段階で、
"これ、大丈夫かな"って、
ちょっと迷いを感じた曲があってさ。
🔵でも、5人で歌ったら、
不思議とちゃんと嵐の歌になってた。
──10年で大野さんの歌い方は変わった?
🔵あぁ………あのね、昔の方が声が低いの。
🔵歌っているうちに、
音域が広がったせいもあるかもしれないけど、
『前みたいな声を出せ』
って言われても、できないんだ。
──もっと歌がうまくなりたいと
思うことは?
成長したと思うことは?
🔵あるよ。今でもうまくなりたい。
🔵でもほんとは歌ってそんなにうまい下手はないと思うんだよね。
🔵前に『気持ちよく歌っていれば、気持ちが入れば、多少は音程はズレてもいい』って、言われたことがあるんだ。
🔵『WEST SIDE STORY』って舞台やった時、指導の人に。
🔵成長はしてねぇ(笑)なーんにも。
🔵何も考えてないから、ふふふ(笑)
🔵基本、焦んのが嫌いなのね。
🔵ちょっと客観的になって、”何に焦ってるんだろう”って考えたり。
🔵忙しいのってヤじゃない?バタバタしてんの。
──日常生活では、いつもどんなことを
考えているんですか?
🔵好きなことがいっぱいあるからね。
🔵絵も好きだし、作ることが好きだから、
(目の前に置かれた花のオブジェを手にして)
こういうものを見たり触ったりしてても、何かヒントになる気がすんの。
🔵移動中も窓から外見たりして、それがアイデアに繋がったり。
🔵何かを吸収しようというより、
自然とそうなる。
🔵ぼ~っと見てると、妄想が始まって、
”あ、描いてみようかな”とか。
Q【ジャニーズ事務所に
入りたての頃の自分にひと言】
🔵ま、大変だけど、がんばれよ!
(何故か楽しそうに)
これから、大変だよ~、10年間、大変だよ~(笑)。
智くんの、
内側の熱い部分を消化するのは、
言葉ではなく、
やはり制作に向き合うことなんだな……
と、感じさせるところだったり───
櫻井翔
僕自身が感じた思いを
ラップに落とせた時は、
自分らしいミクスチャーができたなって
──2枚目のアルバム
『HERE WE GO!』の頃から、
ご自身でラップのリリックを
書かれていますね。
そもそも、どうして自分で書くことに
なったんですか?
🔴ファーストコンサートをやった00年の3月にm-floのVERBALさんと知り合って。
「自分では書かないの?」って、聞かれたんですよね。
🔴当時は、作家さんに書いていただいた曲を歌うのがアイドルだと思っていたので、自分で書くって考えすら持ってなかったんですけど、
”確かにそうだよな、自分の言葉で伝えたいな”って考えるようになって。
🔴それで、スタッフさんに、
「自分で描きたいんだけど」っていう話をして、最初はコンサートのソロ曲から始めて、アルバム収録曲で書かせてもらって。
🔴シングル『言葉より大切なもの』の時に、初めてシングル曲にも自分で書いたラップを入れてもらえるようになったっていう流れになってますね。
──ご自身で、
特に思い入れのあるラップは?
🔴自分で書いたやつは全部、思い入れが深いんですけど、綺麗な描写ができたなって思えたのは、3枚目のアルバム『How's it going?』に入ってる『パレット』っていう曲ですね。
🔴4行だけのラップ詞なんだけど、まとまったものができたなって思った。
🔴あと、5人でラップする詞を初めて書いたっていう意味では、5枚目のアルバム『One』もおもいでぶかいし、6枚目のアルバム『ARASHIC』くらいからは、言葉の操り方が変わったなって自分でも感じたりしましたね。
──この10年を振り返ってみて、
嵐だから伝えられるメッセージって
何だと思いますか?
🔴僕らは、応援歌とラブソングっていうのが2つの柱だと思ってるんです。
🔴応援歌で言えば『We can make it!』で、
”Dream”と書いて”目標”と読むとか、
『Believe』で<失敗からしか何一つ学べず>とか。
🔴説教くさくならないようなメッセージが込められたなって思ってて。
🔴ラブソングの場合は、聴いて絵が浮かぶようにしたいっていう気持ちがありますね。
Q【嵐にとって『これだけは他のグループには譲れない(負けない)!』というものは】
🔴隣の芝生を気にしたことがないので、
他のグループがどうなのかは分からないですけど、”くだらねぇ~な、こいつら”って思う瞬間が多いのがいいところかなって思いますね。
🔴昨日もバラエティ番組で顔を緊迫に塗られて、寝袋に入れられたままっていう罰ゲームがあって。
🔴”くだらねぇ~な”って思いながら横を見たら、大野くんが隣でパンダの顔に塗られてて。
🔴そういうところが、僕が嵐で1番好きな面になりますね。
翔くんの表現する詞は、
常に多方面を、
内側も外側も見る目も持っているからこそ、
誰にもマネの出来ないものが生まれ、
そこに魂を感じて───
子供の頃に知り合ってから、
25年、26年、27年…………
嵐が生まれる前と後───
彼らの出会いと、
そこから始まった過去から現在、
そして、
現在から未来────
過去に、
何かが1つ違えば。
おそらく、
未来は変わっていた。
だけど、
何か1つの要素で、
彼ら自身の描いた未来とは、
違う道を辿ることになっても、
振り回されず、
対処することが出来る5人が、
今はいて───
そこにある想いは。
この5人でなら、
何でも出来る気がする…………
普通では不可能に思えることも、
可能にすることが出来る、
揺るがないものがある────
彼らの内側深くに感じる、
いつも、
そこに住む笑顔の5人………
4人がいて、
自分を含めた5人がいること。
心の中、
深い場所にずっといるのは。
彼らにとっても、
決して忘れることのない、
あの日からの、
軌跡のような運命の中にいる5人────
そんなことを感じている5人に、
過去の、
いろんな場所で、
改めて、出会う────