間が空いてしまいましたが、前回の続きです。
東亜大学院の論文入試は「法的三段論法」により解答を構築することが分かりました。
法的三段論法とは法学論文を書くための特殊な手法であり、法学を人生で一度も学んだことがない私は知るはずもありません。
「弥生カレッジCMC」のYoutubeで概要を掴んだ後、ネットでもっと詳しい書き方を調べてみました。
ふむふむ。
フォーマットさえ分かれば、そこまで難しくなさそう。
せっかく勉強したので、自分なりの「法的三段論法」(東亜大学院受験対策編)の使い方を書き残します。
間違っていたらすいません。
法律に詳しい人に問い詰められるとぐうの音も出ないので、愚かなことを書いていたら優しく指摘してください。
テーマはずばり、東亜の過去問にもあった「離婚」とします。
第一段階「規範」を書く。
規範とは、「法律の条文」や「その法律が実際にどのように解釈・適用されているか」です。
東亜大学院の入学試験は、司法試験みたいな超難関試験ではないので、「規範」は問題文に組み込まれている又は、問題文から読み取ることができるはずです。
ちなみに離婚裁判について定めている民法第770条はこのようになっています。
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる
1 配偶者に不貞な行為があったとき。
2 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
条文の1~4は結構具体的ですよね。
1なんかは「不倫したら離婚裁判できますよー」ってことです。
そして、注目すべきは「5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」です。
重大な事由とはなに?
目玉焼きは醤油派かソース派かとかでもいいの?
あいまいです。
ネットで調べたら、「性格の不一致、暴力、浪費、借金、ギャンブル、勤労意欲の欠如、宗教上の問題、性的問題、親族問題、愛情の喪失、犯罪、重大な病気や障害など」が該当するらしいです。
これは過去にあった離婚裁判で示された「この離婚裁判は民法第770条5に該当しますよー」または「民法第770条5に該当にしないためこの離婚裁判は無効ですよー」みたいな判決が積もり積もって出来上がったノウハウみたいなものです。
この条文とノウハウをひっくるめて「規範」とします。
こんなのわからんよーっって人も大丈夫。
おそらく、この規範は問題文から引用することができるはずです。
第二段階「あてはめ」を書く。
問題文では、実際にあったオハナシ(裁判例)が提供されます。
そのオハナシ中の出来事を「規範」と照らし合わせる作業が「あてはめ」です。
またまた離婚裁判に戻ります。
例えば、ある夫婦の妻が「うちの旦那はギャンブルによる浪費がひどいから離婚したい」と裁判したとします。夫は月100万円稼いでいて、唯一の趣味である競馬に月1万円使っていました。
妻の主張は「競馬に使うお金は1円であっても浪費だ!」です。
離婚はできるでしょうか?
この夫の行為は「その他婚姻を継続し難い重大な事由」となるでしょうか?
その答えは、問題文の裁判例判決に書いてあると思います。
つまり、判決文の中から規範の「あてはめ」に該当する箇所を探しだし、端的に記述することが第二段階です。
第三段階「結論」を書く。
「規範」「あてはめ(裁判所の判断)」を踏まえて、この「規範はこういう場合には適用されるが、こういう場合には適用されませんよー」的な総まとめを書きます。
離婚裁判でしたら、「夫が月1万円のギャンブルをする行為は、●●●(判決文から引用)という理由で『その他婚姻を継続し難い重大な事由』に当てはまる(または当てはまらない)。つまり、『その他婚姻を継続し難い重大な事由』とは●●●(自分の意見)という場合は適用される(または適用されない)と考える」みたいな感じです。
ここまで読んでいただいた方なら、なんとなく分かると思います。
これって法律の知識必要ないじゃん?
そうなんです。
東亜大学院の入試は、法律の知識というよりは、判決文をわかりやすく要約する力が求められます。
つまり!!そしてずばり!!東亜大学院の受験対策は、法的三段論法を使い、過去の裁判の判決文を自分なりに要約する練習をすればよいと思います。
では、どの裁判の判決文を要約すれば練習になるのか?
図書館や書店、amazonにある「租税判例百選」「民法判例百選」「憲法判例百選」(いずれも「別冊ジュリスト」)など「●●判例百選」シリーズで取り上げられている判例を使えば問題ないと思います。
裁判所HPの裁判例検索で判決文本文を印刷し、500文字程度で要約できればバッチリ。
前回の試験は出題傾向が変わったらしいので、この限りではないですが・・・。
次回の投稿は、東亜大学院入試当日を振り返りたいと思います。