エイプリルフールではありません
中国で鳥インフルエンザウイルスが猛威=2月もすでに77人感染、8人死亡―米メディア
2017年02月21日 16時30分 Record China
2017年2月20日、米紙ニューヨーク・タイムズ中国語電子版によると、中国でH7N9鳥インフルエンザウイルス感染者が急増しており、当局が対応に追われている。
中国衛生当局が2月14日に発表したデータによると、先月中国で192人が同ウイルスに感染し、79人が死亡した。また、17日の段階ですでに2月だけで77人が感染して8人が死亡したという。
人における同ウイルスの爆発的感染は2013年に中国で初めて確認され、以後毎年冬から春にかけて新たな感染者が出る状況だ。今年は同ウイルスによる死者数がこの4年間で最多となっており、香港衛生署衛生防護センターによると、昨年11月以降で少なくとも355人の感染が確認されたという。
同ウイルスは生きている鳥や殺処理したばかりの鳥と密接に接触することで人に感染する可能性がある。専門家からは、ウイルスが突然変異を起こし、人から人への接触で感染しやすくなる可能性が指摘されている。
中国の農村や小都市では多くの家庭でニワトリやカモ、ガチョウを飼育しており、近ごろ死亡した20代の女性とその娘も生きた鳥に接触していたという。中国の国家衛生・計画生育委員会はすでに中国東部、南部、南西部の一部地域で生きた家禽(かきん)類の販売を禁止し、東部の浙江省ではすべての家禽市場の閉鎖を命じた。
中国では03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際に当局による爆発的感染の隠蔽(いんぺい)が発覚、市民の政府に対する信用を著しく損ねて以降、政府が伝染病の監視体制を強化している。重慶市では2月17日に「鳥インフルエンザが見つかった」とのデマを流布した3人が、湖北省でも同様のデマを流したことで女1人がそれぞれ警察に逮捕されている。
日本
「偽卵」抱かせて繁殖ストップ 水戸市対策
多くのコブハクチョウが鳥インフルエンザウイルスに感染死した水戸市中心部の千波湖周辺で、同市が石こうでできた「偽卵(ぎらん)」をコブハクチョウに抱かせ、繁殖を制限する取り組みを始める。殺さずに個体数を徐々に減らし、インフルの拡散防止対策につなげる狙い。環境省によると、野鳥の繁殖制限は全国初の試みとみられ、注目を集めそうだ。
千波湖のコブハクチョウは、滋賀県彦根市から「友好の証し」として1970年に贈られたひとつがいが繁殖したもの。幕末期に大老、井伊直弼が水戸浪士らに殺害されて以来の「わだかまり」を乗り越えようとの狙いで、昨年11月半ばには48羽に増えていた。
ところが、同月末に鳥インフルのウイルス感染が発生した。市はコブハクチョウが移動してウイルスを広げないよう羽の一部を切除しようとしたが、数の多さに断念。今年1月下旬までに30羽が次々死に、「野鳥監視重点区域」に指定された。
指定は今月11日に解除されたが、野鳥のコブハクチョウは水戸市のシンボル的存在として市が給餌し、実質的な飼育下にある。市は、今後コブハクチョウが感染源となり周辺の養鶏場などに広がれば責任も問われかねない、と懸念を抱いた。
そこで思いついたのが偽卵を抱かせる作戦。営巣で温められている卵を見つけては、石こうでできた本物と同じサイズ(縦の長さ10センチ前後の楕円(だえん)形)の偽卵にすり替える。コブハクチョウは1度に5個前後の卵を産むとされるが、巣に卵がなくなると再び産卵する。だが、本物の卵だと勘違いすれば新たに産むことはないという。来週にも鳥獣保護法に基づく茨城県の許可が下りる見込みだ。
市は許可され次第、職員らによる手作りの偽卵生産にとりかかる。繁殖最盛期の4月には作戦を開始し、自然減も考慮してまずは数年かけて10羽前後まで減らし、その上で鳥インフルが発生した場合は隔離するなどして拡散を防ぐ計画だ。
動物の繁殖抑制をめぐっては、名古屋市の東山動植物園などでも飼育鳥に施してはいるが、環境省・動物愛護管理室は「野鳥での事例は聞いたことがない」と驚いている。
毎日新聞