二階の窓から街を眺めていたら
小さい子供がつまずいて転んだ。
バツが悪そうにあたりを見回し
泣きもせず
傷めたひざを両手でしばし抑えていたが
やがて、何もなかったかのように
また走り出した。
手当て
的を射た言葉だおもう。
こころは
涙で手当てするのかもしれない。
痛い、痛いと言う代わりに
悲しい、悲しいと言いながら。
痛い、痛いと言う代わりに
寂しい、寂しいと言いながら。
おとなになってから
悲しいも寂しいも
酒でごまかしていたら
バチがあたった。