財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備3社リリース | 日米公認会計士・日米税理士・公認不正検査士・行政書士·国家公務員1種試験経済職合格者福留聡のブログ

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日米公認会計士・日米税理士・公認不正検査士・行政書士·登録政治資金監査人・国家公務員1種試験経済職合格者 福留 聡が会計、税務、監査、政治、経済、経営、時事、主催の東京法律会計士業交流会等含め記事にします。

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財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備3社リリースされています。

①エイチワン

監査法人はEY新日本監査有限責任監査法人です

当社は2023年3月期(第17期)において、北米連結子会社各社の財務数値の確定及び北米子会社グループ
の連結財務数値の確定に時間を要し、結果、当社の定時株主総会で年次決算の報告ができず継続会を開催す
ることとなりました。また、決算関連手続の過程で経理処理の誤りを検出できず、その結果、財務報告に係
る内部統制は有効ではなく、開示すべき重要な 不備が存在すると評価いたしました。

140120240625537230.pdf (tdnet.info)

②SMN株式会社 

監査法人はPwCJapan有限責任監査法人です

当社は2024年3月期の決算業務の過程において、当社の連結子会社であるSMT株式会社の収益計上にお
いて代理人取引が一部含まれるため当該収益取引を純額にて会計処理すべきであることが判明しました。当
該影響額を調査し、その影響の重要性に鑑みて、過年度の有価証券報告書を訂正することといたしました。
なお、当連結会計年度末日時点において開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、すべて連結財
務諸表に反映しております。 
重要な事業拠点における事業目的に関わる勘定科目に至る業務プロセスに係る内部統制において、本人・
代理人取引の判定に必要な正確かつ網羅的な情報の把握と判定に関する業務プロセスの統制活動が整備され
ていなかったため、結果的に誤謬が発生しました。以上より、当社の重要な事業拠点における事業目的に関
わる勘定科目に至る業務プロセスに関連する内部統制上、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしま
した。

③株式会社サンテック

監査法人はRSM清和監査法人で6月30日退任します。

当社は、3年前の当社決算期である2022年3月期(第75期)に北陸のトンネル照明設備更
新工事を請負いましたが、2024年3月期(第77期)決算に
おいて工事原価総額見込みを見直したところ、受注当時の見積り漏れ、その後の工事原価増額
などにより損失が発生することが認められ、2024 年3月期(第77 期)第4四半期において損
失処理を行いました。本件は工事原価総額の見積り誤りによるものであり、内部統制の不備に
該当すると認識し社内調査を行いました。その結果、本件の主たる原因は、当社が過去に経験
したことのない管理の難易度の高い工事であったにもかかわらず、当該部署内においてその工
事への対応に必要な知見・経験を有している人材を配置しなかったこと、それにより将来の工
事原価増加要因となる情報を網羅的に把握して実行予算を作成・見直す体制の整備およびその
運用がされていなかったこと、情報を把握しても適時に部署内で共有して実行予算を見直しす
る運用がなされていなかったことと考えており、内部統制の整備及び運用上の不備と評価しま
した。 
また、会計監査人による監査の過程で、全社的な共用資産の減損判定のための割引前将来キ
ャッシュ・フローの見積り資料について合理性を持った検証ができていないとの指摘を受け、
当該共用資産について、割引前将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を証明する資料の収
集に努め、減損処理の検討を行なってまいりました。減損損失の判定が遅延した要因として、
固定資産の減損に係る会計基準に基づく網羅的・客観的かつ合理的な評価プロセスが整備され
ていないため、減損の認識要否の判断のために将来キャッシュ・フローの見積りを十分に検討
する必要があることに関する意識の欠如、関連する会計基準の理解不足が挙げられ、これは内
部統制の整備上の不備に該当すると考えております。