ランキングに参加しています。上記ボタン押しに協力ください。
下記が「NOKIZAL」決算ピックアップ: 資金調達96億円のfreee、累積赤字60億円の“違和感”です。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/06/news045.html
参考までに最近上場したマネーフォワードの財務ハイライトは下記リンク通りです。
https://corp.moneyforward.com/ir/finance/
またIPOのⅠの部は下記通りです。
http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000002mwbe-att/09MoneyForward-1s.pdf
(「NOKIZAL」決算ピックアップ: 資金調達96億円のfreee、累積赤字60億円の“違和感”記事と図貼り付け)
クラウド会計サービスなどを手掛けるfreee(東京都品川区)が電子公告に掲載した貸借対照表(2017年6月30日現在)によれば、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は60億700万円の赤字(前年同期は36億5200万円の赤字)だった。マネーフォワードと競合しながらFintech業界をけん引するfreeeだが、売上などを推定してみると“違和感”もある。
これまで累計96億円もの調達に成功しているため、現金預金は48億円あり、流動負債が9.4億円なので、当面で資金がショートすることは無さそうです。しかし当期も利益剰余金の赤字が60億円と、前期の36.5億円から更に大きく膨らんでおり、単純に考えれば差額の23.5億円が赤字だったことになります。また前々期の利益剰余金は13.5億円だったため、前期も同程度の23億円の赤字だったと推測でき、マーケティングの先行投資が大きいのだと思いますが、結構なペースで赤字を積み上げています。
先行投資といえば、マネーフォワードと、累積調達額と赤字額の推移を比較した時の違いも気になります。両社ともに数十億円単位の調達と赤字を積み上げてきたわけですが、これまでに分かっている累積調達額と赤字額(ここでは簡易的に利益剰余金の赤字と純損失の累計を同じ扱いにしています)を計算してみると、freeeはマネーフォワードの倍くらいあります。
事業範囲としては、B2B専業のfreeeに対し、マネーフォワードはB2Cも展開しつつ上場にこぎ着けています。freeeが、調達した資金をうまくマーケティングや技術強化に活用できているのか少し気になるところです。
倍の赤字額に対し、売上やシェアも倍以上とかであれば、いわゆるベンチャーとしてより大きく“掘っている”状態として理解もしやすいのですが、クラウド会計に関する市場調査では、freeeがMFクラウドに勝っていたり、その逆もあったりと、現状さほど大きな違いは無いのではないかと推測できます。
上場したマネーフォワードの「MFクラウド」部門の売上を見ると、1.8億円(15年度)、7.3億円(16年度)、5.4億円(17年度前半)。これを参考にすると、freeeの当期売上は10億円前後と考えられます。
現状だと、両社のクラウド会計は試しに利用するユーザーは多そうですが、専門家に丸投げ、インストール型ソフトなどの既存シェアを覆す勢いには至っていません。freeeの現状の業績が10億円前後の売上(推定)、20億円超えの赤字というのは、サービスインから4年で96億円を調達した企業評価額からすると、先行投資中とはいえ少し物足りない数字といえるかもしれません。
とはいえ、時価総額500億円超で念願の上場を果たしたマネーフォワードも、前期売上15億円、経常損失8億円。オリックスが14年に800億円で買収した弥生会計が売上160億円、経常利益43億円なのを考えると現段階では“Fintechバブル感”は否めません。今後も両社が上場などにとどまらず、その高い評価額に実績で応え、名実ともに日本経済を盛り上げる存在になってくれるといいですね。
(私の見解)
上記記事とグラフによると、freeeはマネーフォワードと比較して、資金調達額と累積損失額が2倍だが、マーケットシェア(=売上高)は2倍も
ないので調達した企業評価額からすると、先行投資中とはいえ少し物足りない数字という記事になっています。
ちなみにクラウド会計のマーケットシェアは下記リンクのMM総研調査によると個人事業主はMF19.9%、freee16.9%、法人はMF10.7%、freee36.6%のシェアがあるので、倍くらいクラウド会計の売上高は違う可能性がありますので個人的にはそんなに違和感は感じません。