あなたと初めて会いました
一ヶ月間、二人で温めてきた
愛の交換ができました
あなたと過ごした時間はまるで
幻のようで
ホントに儚くて
青春時代のように眩しくて
それでいて老夫婦のように愛おしくて
言葉で表現するには
あまりにも足りなくて
そんな時間でした
別れ際、あなたは涙を浮かべ
「時間が止まってほしい」
と呟きました
そんなあなたに
「時間は止まらないよ」
と答える僕は実はあなた以上に
「時間が止まってほしい」
と願っていました
あなたと初めて会いました
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その初めてがまるで
二人の再会のようでした
僕には持病があり
恐ろしいくらいに
辛く苦しく悲しい思いをしてきました
芸人になっても日の目を見ることもなく
負けてばかりの人生
あなたは僕より深刻な病気を抱え
僕なんかの何百倍も生きる厳しさと
闘っている
そして語るのも聞くのも
辛い過去がある
そんな僕らだから
二人の間に愛が芽生えたとも
思っています
僕は神を信じてませんが
唯一、神を信じられるとしたら
あなたと出会わせてくれた
いや、再会させてくれた
ことだと思っています
あなたに贈る言葉はやっぱり
僕の持ち得る限りの言葉を
尽くしても見つかりません
ただ、何か言葉で表現しなければ
いけないとすれば
あなたが最期を迎える時に
「ああ、幸せな人生だった」
と思ってもらえるような人生を
二人で生きることです
五十嵐聡