47歳だ
彼は生まれつき障害を持ち
車椅子に乗っていた
小さい頃、僕たちが野球をやっている姿を
羨ましそうに眺めていた
その時、僕は人間らしい
心の痛みを覚えた
彼は動けない分、沢山、勉強をして
超一流の大学に入学した
その後の人生も超一流の企業に務め
美しい奥さんを貰い
子供も授かり幸せな人生を送っていた
彼のことなど忘れるくらい
自分の人生に没頭していた僕には
突然の訃報だった
何故、彼が死ななければならないんだ
悲しみを越えて憤りを覚えた
神などいないことを
改めて知ることになる
彼の死は僕に何を伝えようと
しているんだろう
彼の心、存在、ハンデというものまで
死の前では憂慮のかけらもないくらいに
抗えない現実だということを
伝えているのだろうか
彼の死はある意味、僕にとって
生きるテーマになるんだろうな
それが彼の残した遺言のように
僕には思えるから
イガラシソウル