さていよいよこのテーマの最後の項目です
爽やかな伝え方(アサーション)についてです
アサーションとは、「自分も相手も尊重する姿勢」です。一般的には「伝え方」なのですが。伝えるのには非言語コミュニケーションである「姿勢」も大事なので、あえて姿勢と表現させていただきます^^
それぞれの人はそれぞれの価値観や正しさに対する物差しを持っています。お互いの尺度が違うのでいくら自分の正しさや価値観を相手に押し付けようとしても相手は納得することはありません。
たとえば
無理なお願いをしないといけないとき
相手の依頼を断るとき
理不尽な対応にこちらの気持ちを伝えるとき
言いにくいことを言わないといけないとき
みなさんはどのように会話していますか?
おそらく相手には相手の価値観や正しさがあって、なかなかお互いが受け止めにくい状況って多いのではないでしょうか?
ではどのようにしたらアサーティブな会話ができるでしょうか?
プラスの会話に置き換えしやすい場合ならまだよいですが、価値観や正しさの相違がみられるときに、お互いが納得できる落としどころを探るのは簡単ではありません。特に相手に自分の不都合を理解してもらう場面や、相手の不都合に対してこちらの都合を依頼する場面では、意識や姿勢だけではどう話すのか難しいでしょう。
そんなときに利用しやすい「共感されやすい伝え方」のプロセスがあります
「共感されやすい伝え方」にDESC法という手法があります。
どうも説明者によって単語が違うのですが・・・
D:Describe 描写する:ここでは判断を保留し、意見ではなく、事実だけを描写します。当然 批判やべき論は入りません。
E:Express, Explain, Empathize 説明する:自分にとっての不都合を i-massage(私主語)で説明する。相手を尊重しつつ、自分の状況を共感してもらう説明です。
S:Specify Suggest 提案する:お互いが尊重しあえる落としどころについて提案します。一方的にこちらの都合だけを押し付けるのではなく、相手にとっても、共感しやすい落としどころを考えて提案しましょう。
C:Choose Consequence 選択の結果を示す:提案した結果が相互にとって合意できそうな結果であることを説明し、選択を促すフレーズです。
たとえば、経営会議が長引き、経営陣がたばこを吸う人が多くて空気がよどんでいる状況を想定しましょう。喉を傷めやすい自分はかなり息が苦しくなってきているとします。
そのとき、みなさんならどう言ってこの状況を解決しますか?
すこしDESC法を使って、落としどころを提案してみましょう。
D:会議も〇時間が経過しました。少し空気もよどんできましたね。
(ここは批判や評価は入れず、誰もが受け入れる事実のみを伝えます。)
E:私は今日少し喉の調子が悪く、かなり呼吸がくるしくなってきてしまいました。
(私主語のメッセージで自分の不都合を共感してもらいます。)
S:一度ここで休憩を入れて、空気を入れ替えませんか?
(相手も歩み寄ってくれそうな提案をします)
C:そうすれば、みなさんも気分がリフレッシュできて、会議も活性化すると思いますがいかがでしょうか?
(自分の都合だけでなく、周りの人も尊重された結果を提示し、選択を促します)
いかがでしょうか?
無理なお願いをしないといけないとき
相手の依頼を断るとき
理不尽な対応にこちらの気持ちを伝えるとき
言いにくいことを言わないといけないとき
DESCを使って、共感しやすいリクエストをしてみてはいかがでしょう。
これまで長い歴史を単一民族・単一言語で閉鎖的な世界で会話してきた中では、自分の正しさや価値観はそんなに大きく違っていなかったかもしれません
しかし、これだけグローバル化や技術革新、文化の融合や新文化の進展が進むと年代間の価値観にも大きな差が生じてくるだけでなく、グローバルな対応も必要になってきます。それぞれの正しさを主張し、相手を論破しあうのではなく、お互いがお互いの正しさや価値観を尊重し、共感をベースに合意形成していくコミュニケーションを学ぶことが必須となってきます。そういう意味で今、まさにアサーションスキルはますます重要になってきていると思います。
爽やかな表現はその場その場で変わりますので簡単なことではないかもしれません。
でも、意識して表現しようとしていれば、だんだん、自然に表現力がみについてきます。
是非、トライしてみてください。