塗装と朗報 | ギター製作者 佐久間悟のブログ

ギター製作者 佐久間悟のブログ

楽器製作と日常について書きます

 雪がちらちら舞っています。
寒さのピーク、今年は春が遠いのかもしれません…。

さてまずは朗報から。
前回まで金さんコンサートのご案内をさせて頂きました。
おかげさまで順調にお問い合わせ頂いてます。
ずっと水面下で打診していたのですが…
金さんの師でもあるギタリスト尾尻雅弘氏。
特別ゲストとしてご出演頂ける事になりました。
これは嬉しい。
金さんのソロだけでなく、尾尻さんとのデュオも実現。
スタイルの違うお二人のコラボに期待が膨らみます。
お楽しみに。

ところで今回の企画のPRに東京の専門店、
入谷のギターショップアウラ、
お茶の水のメディアカームにご協力頂いています。
この場を借りて御礼申し上げます。

さてさて、少しだけ塗装のお話を。
ラックカイガラムシの分泌物を精製したセラックニス。
アルコールで希釈して綿を包んだタンポで薄く塗り重ねます。
未だに難しいと感じます。
理由は塗膜が薄いので下地の状態が直に反映される事。
塗り重ねる濃度、タンポの運び、タイミングにコツが要る事。
天然素材で湿度、熱、摩耗に弱い事。
枚挙にいとまがありません。笑
これだけデメリットを抱えた、いわば時代遅れな塗料を使います。
メリットは一点、振動を邪魔しない柔軟性を持っている事でしょう。
艶やかな音になります。
これも木地の楽器が良くなければ意味がないのですけど。
不思議です。
これだけ科学が進歩したというのに天然素材にまだ勝てない…
昔、大好きだった理科の先生がおっしゃってました。
「ネズミ一匹、木の葉一枚創れないのが今の科学だよ」
小学校の授業で聞いた話が耳に残っています。
あえて創る必要があるのかはさておき、虫が作ってくれるニスの
恩恵を受けるだけで私は満足だし、それとの格闘を楽しんでいます。
楽器に利用した昔の人は偉いなあといつも感心します。
これからもセラックの秘密?いや、理屈を探って行こうと思います。

目止め後にセラックニスを塗り重ねた図



さて来週は移動が多くなる予感。
タイミングが合えば多くの人に会えるかな。
楽しみにしています。

今日は短めですがこの辺で。
次回またご報告します。
では。





追伸 コンサート事務局長を務めて下さっているyayoyayoさんのブログ。
リンクを載せておきます。ご興味がある方はどうぞ。
http://azuminoguitar.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/423-4218.html