■シリーズ:【奈落家】神無の無心
■キャプション
自由を求めて本を読む無心の神無ちゃん。わりと短編。
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■まえがき
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
※ 奈落家のいつもの設定確認
・設定は戦国時代なのに、なぜか現代の要素が入る。
(今回は、ほんと現代的な読書生活を書きましたw)
・奈落家の服装は、原作通り。
・奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。
・季節は投稿時と同じ、
少し寒くなりかけた頃の秋を想定しています。
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人見城。
明日は土曜で公務は休み。花金の夜だ。
自室の布団でくつろぎながら読書している神無。
そのお供としてタンブラーに氷のたっぷり入った冷たい烏龍茶がすぐ隣に置いてある。
烏龍茶は、緑茶ほど落ち着き過ぎず色褪せないモダンな味わいが良い。
読書の合間、時々口を付ける。
手に取ると氷が動いてカラカラと鳴る。
甘くないその冷たい烏龍茶は、
神無の血の通っていない無機質な体に染み渡り、
頭をより冴えさせてくれる。
そうして寒い時期に敢えて冷たい飲み物を飲む。
私心を挟まずただただ場の寒さと一体化する。
一体化するが読書しているゆえに一体化にも執着しない。
かと言って無意に過ごしている訳ではない。
それこそあるべき無心の姿ではないだろうか。
当の神無自身もそこまでそれほど考え及んでいないところも
程良き無心として美しい。
読書を進める。
神無の読む本の一文にはこう書かれていた。
"何も持たず無にして、無に終わる覚悟で人生の生死に臨むべし"
話としてはわからないでもない。
余計なものを持たず、何の成果も期待しないで(し過ぎずに)生きる。
それこそが無心であり真の自由の道なのだろう。
ただ、今の大切な家族への想いや未来への希望を捨て切れない。
それもまた生と意志ある者の宿命だろう。
"そうもうまくいかねえか"
愛しい妹の声を思い出す。
神無は神楽を想い
ほんの少しだけニコッと静かに笑った。
そして自由のさらなる答えを求めて
本の次のページをめくった。
人見城の静寂の秋夜は更けて行く。
おわり
■あとがき
神無ちゃんは無心(無心属性)だけど、
求めてるのは神楽と同じ自由なんですよね。
今回、書いていて改めてそれに気づかされました。
(てか、"無心の自由"とは…?)
ただその自由の追求の仕方や道筋とか内容は
神楽とは違うかもですね。
神楽と違って静的な感じ。
その神無ちゃんにとっての最後の答えとしての自由や
無心の自由とは何かについて
今後、小説の中に織り込んで
明らかにできたら良いなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ほんとにおわりです。