マーケティング優良企業の条件―創造的適応への挑戦/嶋口 充輝
¥1,890
Amazon.co.jp


マーケティング優良企業になるにはどうすればよいか。

そのために、企業の情報把握・情報普及・情報反応の力を高め、市場の声に答えることが必要だ。


本書では、松下電器や資生堂といった実例を元にその条件を学ぶことができる。

4人の著者は学者だが、かなり詳しく企業を調べて紹介してくれている。


興味深かったのは、失敗も含めた情報共有機能を持つサントリー、

消費者の生活までじっくり観察しインサイトを探るユニ・チャームだ。


消費者の声を集めようとしている企業は多い。

しかし、集めた声をどう活用するのか、社内で情報共有をどのように進めるのか、

社会にどう働きかけていくのかが問われる時代だろう。

良い映画の条件とはなんだろうか。



良い映画の中には、良い音楽が使われていることに気づいた。



もちろん、良い映画全てに良い音楽が使われているわけではない。



しかし、良い音楽が使われている映画は須く良い映画なんじゃないかと思う。



例えば、宮崎駿や北野武の映画には久石譲の音楽がある。


ベルナルド・ベルリッチや大島渚の映画には坂本龍一の音楽がある。



良い音楽から良い映画を探してみるのも面白いものだ。





そして、これは広告においても言える。



良い音楽を使っている広告は、良い広告だと。



先述の久石譲や坂本龍一はCM音楽でも巨匠だ。



久石譲は、「伊右衛門茶」、「マクセル」など、近年のCMの賞を総なめにした音楽を手がけている。



坂本龍一は、「アジエンス」「郵便局」のCMが最近の仕事であり、

10年程前に、栄養ドリンクの「エナジーフロー」がミリオンヒットしたのも、彼のなせる力だろう。



最近のCMでは、ゼクシィの新しいCM音楽の反響が凄いようだ。

男性シンガーが柔らかい声で「アイラブユー」と言っているだけだが、

そのシンプルさが逆に良いみたい。



良いCMを作るためには、良い音楽が作れるようなストーリーが必要だろう。

最近読んだ本。
白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編/南 博
¥1,785
Amazon.co.jp

僕が、最も尊敬するピアニストであり、コンポーザーでもある南博(みなみひろし)。


南博が、ジャズに出会い、銀座のクラブでピアノを弾き、アメリカに留学するまでを書いた自伝。


南博のリーダーバンド「南博GO THERE!」の演奏を初めて聴き、

彼のファンになったのが、大学2年生の時の、約5年前。


その時から、彼のホームページもチェックしていたが、

南博が、たまに昔を思い出して書いていた日記がこの本の元になっている。


既にホームページで面白い話を読んでいること、

南博の文章が決して巧いわけではないこともあり、

本そのものには、正直高い評価はできない。


しかし、自分の弾きたい演奏が全くできない銀座時代の、彼の音楽への愛情、ジャズへの憧れが伺える。

ファンなら読んでおきたいエピソードが散りばめられている本だろう。

普段東京で演奏をしており、大阪には滅多に来ないため、

彼の生演奏を聴いたのは3回程しかない。

南博の唯一無二のピアノがまた聴きたい。