高市早苗種首相はまもなくオーストラリアを訪問しますが、その隣国ニュージーランドで、帝国日本軍「慰安婦」(戦時性奴隷)の象徴である「平和の少女像」設置が、日本政府の圧力で「白紙」になったことが分かりました。ハンギョレ新聞(4月29日付)が報じました。以下、抜粋します(太字は私)。
<共同通信は28日付で、「ニュージーランドのオークランド市の地区委員会は28日、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像(平和の少女像)の市有地への設置を認めないことを決めた」と報じた。同通信によると、オークランド市は地元の市民団体による「平和の少女像」の設置案を一旦了承したが、その後、一部から「平和の少女像」に関する懸念が寄せられたため…最終的に設置を認めない立場を固めたものとみられる。
オークランド市に設置しようとしていた「平和の少女像」は、韓国の「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)がニュージーランドの地域市民団体に寄贈したもの。…共同通信は「大沢誠駐ニュージーランド大使は『日本とニュージーランドの外交関係に重大な影響を及ぼしかねない』と、設置に反対する立場を示してきた」と報じた。
英紙ガーディアン(10日付)によると、大沢大使はオークランド市議会に提出した書簡で、「この問題に不要な関心を集めることは、日本と韓国の協力だけでなく、日本とニュージーランドの関係にも負担となりかねない」と指摘した。…また駐ニュージーランド日本大使館も「この運動(「少女像」設置)は一部の韓国人の主導で行われた『反日運動』の一環であると信じており、日本人と韓国人の和解の代わりに、他国の地域社会に分裂と対立をもたらした」と主張したという。
ニュージーランド現地で設置を主導した団体側は、日本政府が被害女性たちに加えられた暴力を隠そうとしているとして反発した。「『平和の少女像』の設置は、幼い少女や若い女性たちに加えられた暴力を認め、彼女たちの尊厳を記憶するためのもの」とし、 「地球の反対側で女性たちを記憶しようとする記念碑の設置に向けた取り組みを、日本政府が沈黙させようとしている」と反発した。>
外国の市民団体が「平和の少女像」を設置しようとするのに対し、日本政府(自民党政権)が圧力を加えて妨害することは恒常化しています。一昨年もドイツ・ベルリン市の「少女像」設置に日本政府(岸田文雄政権)が圧力をかけました(24年7月24日のブログ参照)。
こうした圧力は、市民活動の妨害であり、外国の行政に対する内政干渉であり、なによりも侵略・植民地支配と一体の戦時性奴隷の加害責任を隠ぺいするもので、二重三重に許されるものではありません。
メディアの責任も見過ごせません。上記のハンギョレ新聞の記事は共同通信の配信を基に書かれたものです。当然日本の加盟各社にも配信されていますが、私が見た限り、これを記事にした日本の新聞(地方紙)はありません。ベルリン市の場合もそうでしたが、この問題に対する日本のメディアの体制順応が自民党政権の横暴を許していることは明らかです。
「平和の少女像」は韓国各地に77体、韓国以外に14体あります(24年4月現在。写真はソウルの日本大使館前の「少女像」=25年4月撮影)。
では日本には何体あるでしょうか? ゼロです。この事実とその意味を、私たちは直視する必要があります。
