日本がクロアチアと対戦する数時間前の話。


僕はゲリラ戦に向けての準備をしていた。


大量のカツカレーを仕込み、とある場所に向かうのである。


行き先は、浦和美園駅。


駅の隅っこでパラソルを開く自分。


カツカレーを大量に運搬する自分。


埼玉スタジアムのパブリックビューに観戦に行く、熱心な日本サポーターと真っ向勝負をしようとしていた。


「クロアチア戦に向けて必勝カツカレーいかがっすか。」


「ゲンを担いでカツカレーはいかがですか。」


「クロアチア戦に勝つカレーはいかがっすか。」


僕は、この大事な試合の便乗商売をしていた。


上司のヒラメキは僕を非国民に変えていった。


オーストラリア戦。


凄まじい勢いで完売した。


クロアチア戦。


サポーターの表情が真剣である。当然である。正念場である。


僕に投げかけられた言葉。


「舐めてんのか?」


「便乗商売ってナンやねん?」


「駄洒落かよ。」


「ウザイ。」


「最低。」


僕の心は完全に折れてしまいました。


上司は言います。


「売ってしまえ。」


僕はスポーツが大好きです。日本代表大好きです。


僕の行為は、ある一部のサポーターに不快な感情を抱かせてしまいました。


大声張りながら、心では申し訳なさで泣けてきました。


何してんだろう?


売り上げ至上主義の罪人でした。


スポーツはビジネスの側面がある。


スポーツに便乗した、経済効果もあるのは確か。


何してんだろう?


こんなところで。


自問自答の果てに、やっぱり答えは出ませんでした。


今日の話。


大宮駅前でビラを配ってたら。


APUの友人に遭遇した。


びっくりしたが、彼は立派なスーツ姿。僕はビラ配り。


仕事って、なかなか面白いなって想いましたね。


そして、ついに僕に休暇が与えられました。


明日の一日。


約二十日ぶりの休日。


土日関係なく、平均15時間労働の果てに。


やっと休暇です。


うれしさを超えて、当然の権利だと想った。


就活の時、土日休日の仕事は沢山あった。


しかし、二十日ぶりの休暇を与えられる仕事を選んだ。


オモシロいもんである。


人生は格もオモシロきものなり。