昨日アメリカのオバマ大統領が被爆地広島の

平和記念公園を訪れました。

現職の大統領が広島を訪問したのは初めてです。

 

私は広島を訪れたことはないのですが、

長崎の原爆資料館には2回行ったことがあります。

初めて訪れたのは小学生か中1のころ。

熱でぐにゃぐにゃになったガラスの展示品を見て、

なぜかすごくそれに反応してしまい、

心がビリビリと震えるような感じがしたのを記憶し覚えています。

 

この機会にある1冊の本を読みました。

ドイツ人哲学者カントの『永遠平和のために』という本です。

私のブログのタイトルが「さとの平和 祈りのブログ」

となっているだけに、この本を読まなくてはと思いました。

 

私が読んだのは池内 紀さんという方が訳され、

集英社から出版されている本です。

わかりやすい日本語に訳され、写真もたくさん載っていて、

読みやすい構成になっています。

 

カントはこの本を1795年に出版しました。

ですので220年前に書かれた本です。

その頃もたくさんの戦争がありました。

220年経っても残念ながら平和な世の中とはなっていません。

 

私たちが暮らす地球には人間が住めるところと

住めないところがあります。

人間が住める限られた土地の中で

人間はたがいに我慢し合わなくてはならない、

とカントは言います。

 

争いを好む心情を民族はそなえているけれども、

それでも法のもとで平和な状態を維持していくのは可能だと。

離れた国同士が友好的な状態を維持し、法で結ばれ、

人類がついに世界市民となることも可能だと述べています。

 

そのためには「平和連合」のような特別な連合がなくてはならない。

平和条約は一つの戦争を終わらせるだけだが、

平和連合はあらゆる戦争を永遠に終わらせることをめざしている、と。

 

この本は国際連合を生み出すもととなり、

日本の憲法第9条の基本理念となっているそうです。

 

この本の一ページに広島の原爆ドームの写真が載っていて、

その隣にはカントの次のことばが添えられています。

「永遠平和は空虚な理念ではなく、我々に課せられた使命である」

 

何もしないのに平和な状態が訪れるわけはなく…。

平和を願っているとは言いながらも、

ふだんの生活ではすっかり忘れている日々。

 

私たちは永遠の平和に向けてたえずを努力し、

平和状態を根づかせていく選択をしないと

地球の未来は大変なことになるかもしれない。

と改めて平和について考えさせられた一日でした。

 

核兵器のない世界の実現に向けて

着実に進んで行くことができますように。

私たちの住む地球が平和に向かいますように。