嶋谷自然 「信濃の夏」


   

 この絵は、三重県鳥羽市坂手島出身の
日本画家です。

 箱書きに、「信濃の夏」とあります。
 長野県のある山を描いたのでしょうか。

 画風から見て、晩年のものと思われます。




 若い時は、切り絵風の絵を描いていました。
 晩年は、落ち着いた、どっしりとした

 風景を描きました。

 早くから、都会へ出て、矢沢胡月に
師事し、日展で各賞をとるなど、活躍しました。

 出身地の三重県には、多くの作品が遺されて
います。

 また、コレクターもいて、代表作なども
保存されています。

 この絵は、日本画として、ちょうど良い
10号の作品です。

 晩年の作品で、自然の特徴が出ているように
思います。

 信州(長野県)は、高山が多く、また、夏は
涼しい所であります。

 特定の山は、指定されていませんが、山が連なった
、あるいは、前後に重なったところが、

表現されているようです。

 また、画面一ぱいに描くことで、横への

連なりを感じさせられます。

 また、縦への広がりも感じられ、
作品を大きく見せています。

 私の主催する「南勢愛好会」(絵画鑑賞会)の
メンバーも所蔵している者も多く、「嶋谷自然」の

作品を持ち寄り、鑑賞会も開催しています。

{日本画家 嶋谷自然について}

 谷自然は、日本の近代日本画を代表する
画家のひとりです。特に、風景画、
でも海や山を描いた作品で知られています。

 {嶋谷自然の生涯と作品の特徴}

 生い立ちと師事: 三重県出身。若くして上京し、
矢沢弦月、西山翠嶂といった日本画界の巨匠に

師事しました。

 画風: 写実的な画風でありながら、
そこに温かい情感や抒情的な表現を加えたのが

特徴です。特に、自然の光を捉えることに
長けており、彼の作品からは、海や山の雄大さ

そしてそこに息づく生命の息吹が感じられます。

 活躍: 日展をはじめとする展覧会で数多くの
受賞歴があり、日本画界の重鎮として活躍しました。

 また、名古屋芸術大学教授を務めるなど、
後進の育成にも力を注ぎました。

 嶋谷自然の魅力

 自然への深い愛情: 嶋谷自然の作品からは、
自然に対する深い愛情が伝わってきます。

 彼の作品を通して、私たちは自然の美しさを
再認識し、心の安らぎを得ることができます。

 写実と抒情の融合: 写実的な描写の中に、
作者の感情が込められた抒情的な表現が加わることで、

作品に奥行きが生まれています。


 普遍的なテーマ: 海や山といった普遍的なテーマを
扱いながらも、そこに個人の視点や感情を込めることで、

見る人に様々なことを感じさせます。

 嶋谷自然の作品を鑑賞する上でのポイント
 光と影: 嶋谷自然の作品では、光と影のコントラストが

重要な役割を果たしています。

 光が当たっている部分と影になっている部分の
対比によって、立体感が生まれ、奥行きを感じることが

できます。


 色彩: 彼の作品は、色彩の使い方が非常に巧みです。

 特に、青色や緑色といった自然の色を効果的に用いて、
風景の広がりや深さを表現しています。

 構図: 構図も彼の作品の魅力のひとつです。

 画面の中に、自然のバランスのとれた美しさを
描き出すことに長けています。
 
{まとめ}

 嶋谷自然は、日本の風景画を代表する画家として、
の名を後世に長く語り継がれることでしょう。

 彼の作品は、私たちに自然の美しさを再認識させ、
心の安らぎを与えてくれます。

 「ジェミニ」より。