金森得水 短冊 「玉母比乃」(たまもひの)
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 「玉母比乃 所能名多歌支 中にし毛
  衣麗る七川者 殊尓免豆羅之」

 (たまもひの そのなたかき なかにしも
  よれるななつは ことにめつらし」

  


 「たまもい」(玉椀)
    玉石で作った椀。

  玉石で作った、名の通った茶碗の中でも、
  選ばれた七椀は、特別に珍しいものである。

  金森得水は、当時、一級の表千家
 茶人。

  若い時代から、茶道具の名物に降れる
 機会は多かったに違いない。

  数寄者の集まりの茶会も沢山経験、
 名物に降れることも多かった思います。

  玉石で作られた名品を見た時の感動を
 詠ったのでしょうか。

  土から造ったものは、陶器。
  石で造ったものは、磁器。

  この場合は、白磁、青磁系統の
 茶碗を言っているのかな。

  この和歌は、特水自信も、気にいって
 いたのか。  

  茶掛けや、短冊にしたものをよく
 見ます。

  そうはいっても、全く同一なものはありません。
 どこか一字は、かな、漢字を入れ替えています。

  それは、表現の方法です。
  その作家の能力の一つであります。

  このことは、他の芸術にも共通する
 と思います。

 「金森得水」は、私の最初のブログで紹介しました。
幕末の勢州田丸の人。

 茶人として、一部には知られていますが、
歌人としても優れていました。

 和歌集に、「那智山瀧歌百首」「北野奉納梅百首」
「草人木百首」「富士百首」、「茶器物名漫吟五十首」等が
あります。

 玄甲舎の改修の際、出てきたものです。
 そのため、存在が確認されて
いませんでした。

 また、得水は、茶道具等も作っていました。
今も、茶碗、茶杓、香合、蓋置、

花入れ等が遺され、茶道愛好家に珍重
されています。