玉村方久斗「黍図」(きびず)

(二曲折屏風)172X172CM



 方久斗の特徴がよく出た、豪快で繊細な、
しかも、黍が、風に揺れ生命感の

溢れる秀作です。

 腕の達者な画家は、大きな作品ほど
力量を発揮するものです。

 方久斗の得意な、金泥もたっぷり
用し、恐らく方久斗自身の自信作

でしょう。

 大胆な筆使いと速描が伺えるます。
方久斗は、あまり大きな作品を遺して

いないのが残念です。

 この作品は、平成19年11月3日から、
平成20年2月17日神奈川県立近代美術館

および、京都国立近代美術館で開催の、
「玉村方久斗」展に出品したものです。

 玉村方久斗(たまむら ほくと、1893-1951)は、
大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家です。

 京都市中京区生まれ。本名は善之助。
 京都市立美術工芸学校を経て、同絵画専門学校を

卒業しました。

 前衛日本画家としての活動。
 
 玉村方久斗は、京都市立美術工芸学校在学中に、
菊池芳文に師事しました。

 卒業後は、日本画壇の革新を目指す「方久斗社」を
結成し、前衛的な日本画の制作に取り組みました。

 代表作には、《風景》(1920年)、《静物》(1921年)、
《風景》(1923年)などがあります。

 これらの作品は、伝統的な日本画の技法に
とらわれず、大胆な構図や色彩を用いることで、

新しい表現の可能性を探求しました。

 玉村方久斗は、1920年代の日本画壇における
前衛運動の中心人物であり、その後の日本画の

発展に大きな影響を与えました。

 日本画家としての活動

 1930年代に入ると、玉村方久斗は前衛的な
活動から離れ、写実的な日本画の制作に専念

するようになりました。

 代表作には、《母子》(1935年)、
《風景》(1940年)、《静物》(1945年)

などがあります。

 これらの作品は、繊細な描写と豊かな色彩で、
日本の自然や生活の美しさを表現しています。

 玉村方久斗は、前衛画家としての活動だけでなく、
日本画家としての活動でも高い評価を得ています。

玉村方久斗の評価

玉村方久斗は、大正から昭和初期にかけて、
日本画壇に大きな足跡を残した画家です。

 前衛的な活動と写実的な活動の両方において、
優れた作品を生み出しました。

 玉村方久斗の作品は、現在も多くの美術館で
展示されており、日本画史において重要な位置を

占めています。「ジェミニ」参考。