玉村方久斗 「琵琶湖雨亦雨」(びわこあめまたあめ)

 
 署名から、方久斗の三十歳から四十歳までの
作品かと思われます。
 水墨画に近い画です。


 画は少し重いですが、一生懸命に画いて
いることが伝わってきます。

 大切なことだと思います。
 名声が高くなるとともに、人は

何かを失うことが多いように思います。
 それは、内面に潜んでいる、純粋さとか、

画に対する心構えのようなものかと
思います。

 この画は、春か、秋の長雨の頃を
描いたのでしょう。

 雨の日の、琵琶湖の様子や、雨、独特の
うっとしさが出ているように思います。
 
 ここでも、方久斗は、金泥をふんだんに
使用し、格調高く、仕上げました。

 それに、方久斗は画題を付けるのも
上手な人です。

 また、使用する漢字も面白いのがあり、
私は、共箱の場合、画とともに、書も
一緒に鑑賞するようにしています。