川口 呉川(かわぐち ごせん)「金閣創建」

 「川口呉川」
 三重県伊勢市高柳商店街の古着商の家に
生まれる。

 若くから、地元の日本画家、四条派
磯部百鱗に学ぶ。

 郷土の風俗や風景などを描いていたが、
本格的に画を学ぶため、京都に出ます。

 当時、関西の日本画壇の大御所、竹内栖鳳の
門に入ります。

 そして、三十代半ばの高齢で、
京都絵画専門學校に入学し、
大正七年、第二席で卒業しました。

 それからは、京都展、日展などに出品、
活躍することになります。

 この「金閣創建」は、落款から見て、
四十代頃、描かれたものと思われます。

 ちょうど、桜の開花した頃、金閣寺が
建てられている様子です。

 桜下で、職人が働いている様子と、
一方、近くの茶店で、休んでいるところを
表現したものと思われます。

 こんなスタイルの掛け軸を、双幅と
言いますが、物語性があって良いものです。

 画を見る人に、色んなことを想像させます。
 もう、一週間もすると、桜も見ごろと

なりそうです。
 皆さんは、どこへお出かけですか。