玉村方久斗 「筍図」

 吾家の床の間に、今、掛けて
楽しんでいる画です。

 ぼちぼち、筍のとれる頃に
なってきました。

 私は、季節を先取りして、一か月前
位から、季節に相応しい、画を
鑑賞することにしています。

 この画は、落款から見て、方久斗
50歳前後の作品です。
 
方久斗にしては、少し、おとなしい
画ですが。

 採れ初めの、筍を描いた
のでしょう。

 皮の繊細なところが、
よく描かれています。

 作者は、東京生まれ。
 京都絵画専門學校卒業。

 師、菊池芳文。
 昭和26年56歳没。

 日本美術院で、活躍し、
将来有望視されていました。

 歴史画に、自分の主観を入れた
独特の画を曲げず、貫いたため、

横山大観らに嫌われました。
 そして、日本美術院を脱会する
ことになります。

 それからは、個展活動を中心に
作品を発表することになります。

 方久斗の作品は、速描、物の形を
瞬時に捉え、生命感の溢れるものが

多いです。
 そして、色彩が奇麗なことです。
 また、琳派の影響も受け、金泥を

よく用いました。
 また、絵の具が乾かないうちに、
描くので、独特の滲みを活かした
ものも多いです。