金森 得水 和歌 短冊「辛亥 初午」

 「辛亥 初午」
「た奈通物  艸乃可多葉能 末滿て毛
 神乃めく美越 あふく介尓可奈」特水

(たなつもの くさのかたはの すえまても  
かみのめくみを あふくけにかな)

 「たなつ」もの。
 (種子、殻)また稲、穀類。
 
 「初午」
 二月の初の午の日。京都の伏見稲荷社の
神が降りたのがこの日。

 全国で稲荷を祭る。
 この日を蚕や牛馬の祭日とする風習もある。
 (広辞苑)

 初午の日、稲荷神社にお参りして、稲
(穀物)のその年の豊作を神に祈った
のでしょう。

「金森特水」
江戸時代後期の人。
紀州藩田丸領久野家家老。

家老として、藩の執政、財政改革を行った。
一方、茶道は表千家。歌道は有栖川幟仁
親王に学んだ。

 歌集に「那智瀧歌百首」「北野奉納梅百首」
「艸人木百首」「冨士百首」「茶器物名漫吟

五十首」などがある。
 また、茶道具なども自作し、今も数寄者に
珍重されている。

 三重県玉城町には、特水の茶室兼居宅が
「玄甲舎」改修保存されている。