本居宣長 和歌 「桜歌」(栞)

 「多都年見む 志を里も花乃 よし野や万
 猶おく婦可く 尓本ふ古受衛を」

 吉野の桜の花を見に来てみたが、まだ早かった
のか。
 もう少し、奥まで行き、花の梢をを尋ねたい。
というような意味でしょうか。

 興味のある本を読んでいると、先が
どう展開するか楽しみです。

 そのことと桜花を掛けて、和歌に詠った
ものでしょう。
なかなか洒落た試みですね。
 宣長は、桜花を好み、沢山の和歌を詠んで
います。 
 
 本題の「桜歌」は、金色の絹本栞に書かれた
もの。
 短冊より、かなり小さく、私は、この種の
ものは未見です。

 宣長らしい、格調の高い、神経の行き届いた
作品です。

 宣長が長く手元に置いていたものか。
 子孫に伝わった、書き物も遺っています。