金森 得水 「玄甲舎」2(げんこうしゃ) 

 昨年暮、投稿の「玄甲舎」第二弾。今回は、
玄甲舎の内部を紹介します。
 この建物は、金森得水の別荘として、
弘化三年十月頃、工事に取り掛かり、
弘化四年春完成しました。

 建物は、玄関で、二手に分かれ、茶室と
迎賓を兼ねたものと、一方は、居宅として
使われていました。

 敷地は、当時、三千坪の広大な屋敷で、
周囲には、幅二メートルの掘割があった
ようです。
 現在も、一部に遺溝が遺っています。

 茶室のある庭園は、250坪。
 建物は、総建坪70坪です。
 「玄甲舎」の扁額(写真 掲載)は、

臨済宗大徳寺第457世悦臾自筆によるもの。
 安政3年春、田丸に来遊した時、揮毫した
ものです。

 また、茶室の、炉蓋には、弘化4年春出来。
 大工 庄五郎の墨書きがあります。
 この人は、京都の第1級の数寄屋建築の
名匠と言われた人物です。
 それを証明する文書も、最近、発見され、
大変、貴重な建物と言うことが解りました。

 コロナ禍も収まり、毎月第4金曜日には、
生涯現役促進協議会による、茶会が催されて
います。
 また、茶道家による茶会も、随時、行われて
います。
 そして、掛け軸鑑賞会、写真展、着物展示会
にも、有効活用されていて、交流の場とも
なっています。
 まだ未見の方は、ぜひ、訪れて下さい。