主演を務めるは、ショーン・コネリー。
今でこそ世界的な名優として名を馳せ、その訃報も記憶に新しいが、この頃はしがない無名の役者…原作者のイアン・フレミングも難色を示し、当時も候補に挙がっていたロジャー・ムーアのほうを推してたくらいである。
後の両者への評価は周知のとおり…初代のボンド役がスクリーンでの人物像をつくり上げ、それにより一つの流れが生まれた訳だが、このシリーズの映画化は当時それだけ手探り状態だった事が窺える。
コネリーの訃報はちょうどひと月前…近年は隠居生活で余生を楽しむ身ではあったが、そのネームバリューが色褪せる事はなかった。
それもこれも、始まりはすべてジェームス・ボンド…時は半世紀以上の遥か昔に遡り、抜擢までの経緯の詳細は筆者もよく存じないが、
周囲の評価も散々で、お世辞にもこの英国紳士の役柄に相応しいとは言い難かった。そのあまりもの行儀の悪さに、監督のテレンス・ヤングは「今日からタキシード着たまま寝床に就け」と叱咤したそうである。
しかしスクリーンに登場したボンド役のコネリーは…まぁその先を語る必要もなかろう。フレミングも最終的には彼の存在を認め、次の執筆作には後付けだが主人公を役者と同じスコットランド出身にしたほどである。
００７ファンなら誰もが特別の存在として認める初代ジェームス・ボンド…それがショーン・コネリーなのだ★
ところでフレミングの愛読者でもある筆者が個人的に原作のイメージに近いとしているのは、一番新しい６代目ダニエル・クレイグで、
小説の中でのボンドは決して映画のように終始スマートに振る舞える訳でない。作品の半分以上で敵にポロポロに打ちのめされ、この役者はそのシチュエーションに見事にハマっている。
今と昔の映画としての描きかたの違いもあろう、コネリーやムーアの時代だったら観客が引いてしまったかもしれない。
だが活字の中では主人公は常に過酷な状況を強いられる。同じ００７シリーズとて映画と小説ではかなりの別物であり、現在のボンド役を好きな愛読者も多いであろう。
筆者もこの６代目への評価は相当高いが、
それでも古くからの００７ファンにとって、ショーン・コネリーの存在は特別なものがあり、それは半世紀以上の長年に渡り継続しているのが、この初代あってこそ！と誰もが考えるところによる。スクリーン上のボンドのイメージを不動のものにしたのは彼の功績にある。
３代目のロジャー・ムーアも決して悪くはない。コネリーと比べて一段下に見る映画好きも多いが、長年の００７ファンはそれでも一定の評価をしている。
コネリー最初の降板から紆余曲折あり、お鉢がまわってきたのへ８作目だが、その登場編はシリーズ中でも筆者が指折り好きな一作であり、ボンドのイメージを刷新した快作でもある。
フレミングが最初に推薦していただけあり、ボンド役として遜色はない。
ただ残念なのは、９作目以降暫く このシリーズは作品自体がオリジナルから大きく逸脱してしまっていた事で、そんな中、役者が主人公の人物像を表現するとなると かなり難しい。ムーアの評価を下げてるファンの人たちは そこを鑑みるべきに思う。
実際、作風が方向転換された１２作目から、彼のボンド像も見違えるほど素晴らしくなった！のが、筆者の印象でもある。
そのロジャー・ムーアも既に３年前、亡くなっています。享年８９歳…ボンド役は実に５７歳（撮影時）まで現役で、今でならともかく、あの時代にこの年齢までやり通した、それだけでも高い評価をすべきに思います。
そして前述のようにショーン・コネリーも・・訃報が先行して没日も暫く発表されてませんでしたが、どうやらその日に亡くなっていた模様です。
享年９０歳。月日の流れを感じます。
…本日は最初の月命日を飛び越え、月が替わった１２月１日となりますが、
さて、この日は数十年前から定められた《映画の日》となっております。
皆さまは何を観に行かれるでしょうか？
筆者も本来ならば新作の００７を観に行くところですが、公開は二度目の延期となってしまいました。
このように、古き時代のボンド俳優が亡くなったからといって、シリーズが終わる訳ではありません。製作陣も代を継いで、今は娘のバーバラ・ブロッコリが手腕を振るっています。
もちろん今のボンド役も素晴らしいです☆
一般の映画好きから見れば隠居した役者がまた一人他界したに過ぎませんが、古くからの００７ファンにとって、この両名とも世を去った事は、一つの時代の区切りと思えてならないのです。
★James Bond, forever‼︎★
▼本日限定！ブログスタンプ
