私の子供の頃のアイドルといえば長嶋茂雄と王貞治のON砲。
今でも、尊敬してやまないお二人です。
父親に買ってもらった「GIANTS」の3番のユニフォームを着て
公園で野球をするのが、物心ついた時には日課になってました。
日曜日の夜。
BSフジのテレビ番組を見ました。
『長嶋茂雄がここにいる~今日本人に伝えたいこと~』
もう、涙が止まらなかった・・・
ルーキーの頃から「長嶋は天才だ」と言われていたが
長嶋さん本人は「立教大時代からの猛練習があればこそ」と思っていた。
でも、そこが長嶋茂雄。
「だったら、天才を演じてやろう!」
努力している姿を、人に見せなくなった。
そんな長嶋さんが、自分の美学を捨てて
壮絶なリハビリの姿をカメラの前に晒していました。
長嶋さんとは対称的に、周囲の目なんぞおかまいなく
まさに修行僧のような猛練習で「世界のホームラン王」となった王さんが
永遠のライバルの映像を見て言っていました。
「あの人の人生では、練習する姿を見せないのが “長嶋流” だった。
それを見せるということは、何かを伝えたいんでしょうね。」
この番組が放送されるのを知ったのは
去年、病に倒れ、ご本人もリハビリ中の高田文夫さんが
ラジオで紹介していたからでした。
大の長嶋ファンである高田さんが言いました。
「長嶋さんは “リハビリ” って言わないんだよ。
“自主トレ” って言うんだ!
なぜだかわかるか?
長嶋さんは、いつか始球式をしたいんだって・・・素晴らしいだろ!」
リハビリでダンベルを持ってスウィングする姿を見て
王さんは優しく微笑みながら言いました。
「好きなゴルフをしたいんでしょうね!」
V9時代に三遊間コンビを組んだ黒江透修さんは
「長嶋さんは、いつかノックをするつもりなんじゃないかな!」
厳しいはずのリハビリ中
長嶋さんは、けして苦しい顔はみせない。
「よしッ。いこう!」
「イチ、ニィ!」
まるで、周囲の人を励ますかのように
自分で元気よく掛け声をかけていました。
日本の明るさと元気の象徴のような人は
今も、とびきりの笑顔で “自主トレ” を続けています。
長嶋茂雄が国民栄誉賞を受賞してないのは、おかしい。
長嶋さんの現役引退後に国民栄誉賞が制定されたから?
受賞のタイミングがなかったから?
不謹慎を承知の上で、あえて書きますが
長嶋さんだけは「亡くなってからの受賞」をやめてほしい。
番組の最後に、長嶋さんは言ってました。
「もう一度、走りたいんだよ」
長嶋さんが
もう一度、走れた時
始球式ができた時
ゴルフができた時
ノックができた時
その時が「長嶋茂雄国民栄誉賞受賞」のタイミングでいいんだ!
いつだって正解なんだ!
被災地におくった左手でのサイン