こんにちは!
出産の不安を喜びに変える専門家 助産師 岩本さとみです。
助産師歴11年、年間1500件の子どもが生まれる現場に立ち会い命の物語を見てきた助産師が、妊娠出産を通して母になる覚悟、母になる楽しさ、母子の健康を継続的に関わりお伝えしています!母としての豊かな価値観を持って子育てができるよう導きます。
前回まで、「癖」についてのお話でした。
ところで、ポジティブなことって、癖って言わないですよね。
「起きたらベッドメイクする癖」とか「朝起きたら歯を磨く癖」とか言いませんよね?(笑)
そう、ポジティブな癖は「習慣」と呼ばれますね。
居酒屋「てっぺん」の創業者である大嶋啓介さんをご存知ですか?
先日、大嶋さんのマネージャーさんとたまたまお知り合いになる機会があり、講演に行かせて頂いたんですね。
SNSなどで名前は存じ上げていましたが、どんな方かよく知らなかったんです。
大嶋さんは少年院に講演に行かれていたそうで、そこは全国でも特にやんちゃな子どもたちが集まるところだったそうです。
入所したての子どもからもうすぐ退所する子どもの順番に、ずらっと並んでいたそうです。
そうすると、入所して日の浅い子どもたちと、もうすぐ退所する子どもたちの、目の輝きが全然違う。
そこで、大嶋さんは、なんでだろう?何が違うんだろう?と思い、そこで分かったことがあったそうなんです。
少年院に入る子どもは、もちろん例外もあるでしょうけど、家庭での習慣に問題があることがほとんどだったとのこと。
少年院で、規則正しい生活習慣を身につけた子どもたちが、生きる力を養って、目に輝きを取り戻していく姿を、目の当たりにしてきたそうです。
そして、退所した子どもたちは大きくなり、大嶋さんの居酒屋「てっぺん」で、夢を持って人生をやり直していく。
それでも、「癖」は治らないんです。薬物依存で、何度も何度も捕まった子もいたそうです。
だけど、大嶋さんは見捨てない。なぜならいつも、その子の可能性を見ているから。
可能性を信じてもらったその人は、てっぺんから独立して自分の店を持ち、名誉な賞を受賞するまでの飲食店に成長させたという物語でした。
講演60分間は、感動しまくり、ずっと泣きっぱなし。目溶けるかおもた。
見てもらった方が早いので、ここから登録して動画で見てください。
大嶋さんの講演を聞いた時に思ったんです。
わたしたち医療従事者は「リスク」ばかり見て、「可能性」なんか全然見てないんじゃないか。
もちろん医療においてリスクを見なければ人を殺めてしまう場合があり、リスクヘッジは不可欠です。
しかし、リスクにフォーカスするあまり、「心配だ」というメッセージを送りすぎて、「心配な人」をたくさん作り出しているのではないでしょうか。
病気にこだわるあまり、病気の人を生み出しているのではないでしょうか。
子育てで、親が「心配」の眼差しを向け続けると、子どもは自立できなくなりますよね。
それと同じことを、産科の現場でもやってるんじゃないかと思ったんです。
病院において医師は病気を見つけて治療するのが仕事で、看護師の役割は「療養上の世話や医師の診療の補助」ですから、個々の価値観は抜きにして、ウエルネスの視点を活かすのは難しい立場です。
だからこそ、そこは助産師や保健師が担えるところなんじゃないでしょうか。
本当にその人が自立や幸福に向かうために必要なのは、
「あなたなら大丈夫だよ」「手伝うよ」「一緒にやろう」
そういうメッセージなのではないでしょうか。
大嶋啓介さんに出会わせてくれた野村ゆうかさんに感謝します。
野村ゆうかさんのアメブロ
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