私にとっての今回の旅のメインはこちら。
聴竹居
昨年【美の巨人】で放映されて以来
ずっと行きたかった場所お願い
こちらはHPからの事前予約が必要です!
去年は希望日に予約が出来ず、
諦めましたが、今年はバッチリウインク

JR京都駅から15分程で到着。
山崎
ちなみに山崎には聴竹居以外にも見所が
たくさんあります。
こちらも予約制のサントリー山崎蒸溜所
築100年の大山崎山荘と安藤忠雄設計による
地中館(モネの睡蓮など所蔵)を併せ持つ
アサヒビール大山崎山荘美術館
どちらも【建物好き】を唸らせる場所
です。

JR山崎駅にはサントリーのウィスキー樽
で作られたベンチがあります。
樽の丸みを利用したベンチ、素敵キラキラ
年代を感じる木目も味があっていいなぁ。

聴竹居に向かうため線路を渡ります。

夏は受験の天王山!という言葉の
元になった【天王山】入口。
天下分け目の戦いが行われたのは
ここかぁ、と感慨深くなりますね。

聴竹居へはこの碑を左に曲がり、
2-3分程坂を上ります。

見えてきました、聴竹居。

石の階段を上ったら、そこは
藤井厚二氏が晩年の10年間を過ごした
名建築、聴竹居。
2017年に重要文化財登録されて
現在は竹中工務店が管理しています。

館内の写真撮影には事前に許諾書を
プリントアウトし、必要事項を記入の上
当日持参が必須です。

ちなみに間取りはこちら。
HPからお借りしました。
館内はボランティアの方が丁寧に
1時間解説してくださいます。

居室、縁側、読書室、客室
食事室、調理室、玄関の順で
案内していただきました。
プライベートな寝室、納戸は老朽化が
進んでおり見学は現在は不可です。

私たちは9:00スタートの回。
でも参加者のほとんどが20分前に
到着していました。
皆さん、並々ならぬ期待が伺えますニコニコ

昭和3年の建物なのに、玄関を
入ってからの違和感が全くありません。
今では当たり前ですが、当時としては
画期的な2mほどある天井と部屋の中で
1番広く取ったリビング、光をたくさん
取り込むため仕切りを最小限に抑えた
大きめの窓など。
現代建築そのものだからなのです。

昭和3年にこの発想は凄い!

そして、藤井氏の美しいデザインへの
飽くなき探究心が生み出す【建築美】
も聴竹居の魅力です。

自らデザインした造り付けの家具や
掛時計、客間の椅子、暖房機具は
勿論素晴らしいのですが、それ以外
にも窓枠を留めるビスの方向や位置
に拘る徹底ぶりには脱帽です。

この石段の拘りも凄いです↓
この石は全て自然のままで一切の
加工をしていないのです。
階段にあう石をひたすら探して
作った驚きの石段。
恐ろしいまでの拘りです。

印象的なデザインの1つ。
入口のデザインが美しい食事室。
この半円を作るのに呼び寄せた宮大工
に5回もやり直しを依頼したのだとか。
こちらの天井と灯りはキラキラと
光を反射させる和紙を使っています。
和製シャンデリアです。

また、デザイン以外にも設計でも
数々の工夫がされています。
サンルームの日差しの長さを
夏は太陽を遮り涼しく、
冬は光を多く取り込み温かく
計算して設計したり。
地中から冷気を吸い上げて天然の
クーラーを作ってみたり。

細部まで生活しやすいように
計算し尽くされている聴竹居。
知れば知るほど面白い建物です。

玄関前に置かれている伊東忠太作の
【怪獣】もいい味出してます。
和と洋の良い要素が見事に絡まり
出来上がった昭和初期のモダン建築。
生活動線も完璧に考えられた設計で、
今でも新しさを感じる箇所が多く
あります。

藤井厚二氏のデザイン力と科学的
検証力の高さに触れようと建築関係者
がこぞって見学に来る理由が良く
分かりました。
昭和の建築の天才、ここにあり。

聴竹居の周りは木々に囲まれており
春夏秋冬の景色の移り変わりも
楽しめそうです。
また違う季節に訪れてみたいです。
その時は現存する藤井厚二作品の
1つである香里園の【八木邸】も
一緒に見学したいですね。

今回の見学ですっかり藤井厚二ワールドの
トリコになってしまいました照れ

■聴竹居
住所: 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎谷田31
TEL: 075-956-0030
見学日: 水曜・金曜・日曜
見学時間: 9:00-16:00(1回あたり概ね75分)
【1】9時~
【2】10時30分~
【3】13時~
【4】14時30分~
*お盆・年末年始は休み。
*事前申込制
見学料金: 大人1,000円 小人500円
見学資格: 小学4年生以上