4月6日は日本舞踊の発表会でした~爆  笑
 
とうとう国立劇場という由緒ある場所で、踊ってしまいましたよ~。
 
ま、言ってみれば、これも初体験ですね。
 
以前、日本橋亭というほんの小さな場所で、
 
「ゆかた会」というものに出させてもらいましたが、それを別とすると。
 

 
 
今回は、尾上流の前家元・墨雪先生の創作舞踊である、
 
花影風韻という三部作の中の「つばくらめ」という奏風楽を踊らせて頂きました。
 
「つばくらめ」というのは「つばめ」のことです。
 
16、7歳の娘さんが、街で会うイケメンに恋してやきもきしている、
 
というような内容の唄だと(勝手に)解釈して、
 
〇〇歳も若返った気持ちで踊りました(笑)。
 
「でも長野さんは、『真田丸』の時は18歳だったんでしょ~!?」と仲間の一人に言われ、
 
もうほとんどやけくそです。
 


 
 
 
いや~、それにしても、前にも書きましたが、
 
日本舞踊はなかなか奥も深く、一朝一夕では歯が立たず、
 
最初はただ振りをなぞっている小学生にしか見えず、
 
これではいかんと思い、「表現」しようとし始めたら、
 
体の芯がなくなって、くねくねダンスになってしまったり…。
 
特に私はジャズダンスを最初に始め、その後バレエをやったら、
 
ジャズダンスのようなバレエになり、それを払拭しようと数年頑張ったところで、
 
足を壊して日本舞踊一辺倒になったら、
 
今度はバレエのような日本舞踊になり、回る所作では首を切ったりして、
 
(切るというのは、体に対して首を後からつけて早く回すことです)、
 
腰を使うのを止めたら胸を使い始めたりして、
 
頑張れば頑張るほど、前に習得した体の使い方が出てきて、
 
あっちを直せばこっちが直らず、まる3か月くらい苦しみました。
 
 
 
 
先生にはさほどうるさく注意されないのですが、
 
姉弟子さんたちは容赦なく私の悪い箇所をピタリと言い当てます。
 
課題をもらって直して、また次の課題を貰うことを繰り返し、
 
稽古の時は毎回、自分の踊りを録画してチェックし、
 
相手の方と場所を借りて稽古したり、一人でも何時間もやりました。
 
 
 
 
そして分かったこと。
 
よく言われることですが、こういう「見せる」お稽古事は、
 
人の前に立たなくては上手くならない、ということです。
 
今までの数年間は何だったのかと思うくらい、基礎からダメ出しされましたし、
 
体の使い方を全く分かっていなかったと反省しました。
 
アマチュアのうちは、身銭を切って見てもらって、
 
いろいろな面で痛い思いをしながら上達するしかないんですね。
 

 
 
 
それでも、本番4日前の舞台稽古の後、
 
先輩にとっても厳しいダメ出しを貰い、かなりへこんで、
 
もうすべてを投げ出したくなっていたんです。
 
翌日は早朝からロケで、おかげでこのことを考えないで済んでいたのですが、
 
この時撮っていたドラマの内容は、
 
発表会とまったく関係のないものだったにもかかわらず、
 
ふと、しゃべっている他の女優さんや、
 
和服を来ている女優さんを見ていたら、
 
私の中で突然ひらめくものキラキラがあって、
 
体の使い方が天から降りて来たんです。
 
「そっか、みぞおちを深く落とせばいいんだ」と言葉にすればこんな感じですが、
 
全体的に「表現」としても、見せ方を90度くらい変えればいいのだと分かったのです。
 
つまり、恋する娘と言っても、振り向いてもらえない部分をフィーチャーし過ぎて、
 
「待って~」的なニュアンスを醸し出していたのですが、
 
そうではなくて、恋することに慣れていない、身の処し方もわからない、
 
でも勝気な娘だったらどうなの??と思ったんです。
 
 




 
 
そしたら、私の中でパズルがばばばっとはまり、
 
体の使い方も、舞台に立った時の見せ方も、全部解決したんです。
 
撮影中、頭の中だけで一瞬で終わったことですが、
 
「もう大丈夫」と思いました。
 
そして自信を持って臨むことができ、心から楽しんで踊れました。
 
ご覧くださった方の中にも「体の芯がすっと伸びていてよかった」と、
 
お褒めくださる方もいて、驚きました。
 
神様はここまで追いつめておいて、そしてこんなに直前で助け船を出すのか、と、
 
嬉しいような複雑な気持ち。
 
でもおかげで、4日前より数段上手くなれたような気がしますニコニコ
 
厳しい先輩にも感謝です。
 


 
 
 
長くなりますが、実はもう一つ私の中に「ある考え」があって、
 
それは新舞踊(どちらかというと歌謡舞踊、演歌や民謡で踊るもの)を教えている母の、
 
「日本舞踊は退屈」という言葉や、
 
ある著名な脚本家さんの「歌舞伎でも踊りになると眠くなる」という言葉、
 
これらを何とかできないものか、という傲慢な考えがあったのです。
 
正直なことを言ってしまえば、私自身も、
 
日本舞踊の古典の長~い演目で、踊り手が無表情でただただ舞っているのは、
 
ちょっと苦手なんです。
 
幸いというか、今回私に与えられた演目は6分程度の短い現代的な創作舞踊。
 
だから、表現する側の方に確固たるものがあれば、
 
エンターテイメントになる得るはず、と挑戦していたのが、
 
初舞台を踏む、経歴7年程度の者が目指すラインにしては、
 
ちょっと高すぎたのでしょうか…。
 
それでも、どこまで到達できたかは分かりませんが、
 
お客様は少なくとも退屈はなさらなかった様子で、
 
ちょっと安心したというわけでしたウインク
 






 

私を誘ってくれた恩人で、昔からの友人の乃り香さんと一緒に踊りました。