前回の続きです
投薬治療がはじまり
私を悩ませたのは
眠気でした
あれだけ寝れなかったのに
今はこんなに眠い
抗うつ薬と
抗不安薬の副作用で
眠すぎて
集中力が保てず
午前中は
歩いている時に
転倒することもあり
両足とも
アザだらけでした
「私
こんなんで
社会復帰
できるのかな…」
自分の体に
何が起きているのか知りたくて
歩いて本屋さんに行き
数冊の医学書を開きました
私の体の症状は…
私に処方されている薬は…
薬の作用と副作用は…
これからみられる傾向は…
あぁ、私
たぶん
重度だ
意欲減退
罪責感
集中力の減退
喜びの減退など
うつ病の項目は
すべてあてはまり
走っている
車を見ると
激しく吸い込まれそうな
希死念慮まであった
治療がはじまり
眠れるようになり
ちょっとずつ
良くなっている実感はあるけど
「重度の場合は
治療に時間を要する」
と書いてある
今年
せっかく用意してくれた
部長のポスト
多分もう戻れない
集中力が無くて
目が滑って
全然うまく本が読めない中
私が買えそうな値段の
医療従事者向けの本を
一冊買った
本屋の帰り道
公園のベンチに座り
体が冷えるまで
一冊の本を読み込もうとした
大学院まで行って
必死に修士論文を書いた
あの時の思考力は
かけらも残らず
幼稚園の頃のように
一文読んで
また戻り
一文読んで
落ち着かない頭で
なんとか理解しようとする
その繰り返しをした
私は絶望から
這いあがろうと必死だった
アザだらけの足をさすりながら
小学生の子らが
家に帰る時間になっても
公園のベンチで1人
読めない本を
読み続けていた
（続きます）